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マイフェイバリットコースター列伝 よみうりランド編 ホワイト

国内に6か所にしかない木造コースターを紹介するシリーズ第1弾。コニーアイランドのサイクロンにも似たよみうりランドの「ホワイトキャニオン」の特徴や製造の裏話、乗り心地などをチェック。

執筆者:佐藤 孝


ホワイトキャニオンテーマパーク・遊園地で、最も人気のアトラクションといえば、ジェットコースターでしょう。もちろん私のお気に入りもそう。最も熱かった小中学生の頃は、同じジェットコースター(日本ランドHOWの今はなき「宇宙大パニック」とか)に何回連続で乗れるかと競ったもので。

ただ、一口にジェットコースターといえども、パークによって種類はさまざま、乗り心地は十人十色、スリルも千差万別です。そこで今回から不定期ではありますが、日本ではまだまだ少ない木造コースターを取り上げてみたいと思います。その第1回は、よみうりランドの「ホワイトキャニオン」。

木造ならではの感覚

まずは木造コースターの魅力から始めましょう。みなさんは木造コースターに乗ったことはありますか。コースター好きでも案外未体験という人も多いのでは。というのも、現在、国内には城島後楽園ゆうえんち、ナガシマスパーランド、奈良ドリームランド、東武動物公園、ひらかたパーク、そしてよみうりランドに各1基ずつしかないのです。

それにくらべて米国では500基近くもあります。一つのアミューズメントパークに複数あるところも。つまり日本ではめずらしい木造コースターも、世界に視野を広げるとごくごく当たり前の乗り物です。それがなぜ国内では、1992年の城島後楽園ゆうえんち「ジュピター」を待たなければならなかったのか。それは日本のきびしい消防法のためなのですが、この詳しい話は城島後楽園ゆうえんちの回に譲りましょう。

さて話は戻って木造コースターの乗り心地ですが、これを音に表すと「ゴトゴトゴトゴト」。ゴーッ!でもなく、ガタガタでもなく、ちょっとくぐもった感じの音トロッコに乗ったような素朴な音に、木造コースターをノスタルジーと表現する人もいます。

強さを増すために網の目のように組み合わされた木は、間隔の短い小刻みなゆれを醸し出します。木製ならではのたわみ、しなやかさ、深みを感じる人もいます。コースターの原点に戻ったような感覚という声も。

ホワイトキャニオン心地よく、しなやかというとメリーゴーラウンドのように聞こえるでしょうが、実際はこれが高速になるわけで、そんな悠長なものではありません。たとえば、ホワイトキャニオンなら最高時速84.4km/h。首の横、頭の上では、柱や梁がびゅんびゅん後ろにすっ飛んでいくわけで、速さはそれ以上に感じるはず。

かつて主流であった木の感触に、現代のテクノロジーが極めたスリルを組み合わせたのが今日の木造コースターなのです。
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