「円安」や「ポンド高」という言葉を毎日のように聞くようになりましたが、イギリス旅行を計画中の方は、この動きに注意されていますか?
これは実はイギリスファンの私たちには切実な問題なのです。今回はその意味について考えてみましょう。この記事を読まずに、そのまま放って置くと、大変な事になりますよ。
イギリス旅行の費用が2.5倍に!
待てば待つほどイギリスが遠くなる。ポンド高はどこで止まってくれるのか…。 |
が、2006年にはポンドが確実に上がり始め1ポンド220円台を突破。今年に入ってからは、ポンド高がさらに加速しています。観光客の立場からすると、「頼むから240円は超えないで」と願っていたのですが、7月の現時点では、とうとう250円に達してしまっています。
この現象は私のようにイギリスと日本を行ったり来たりする者にとっては切実な問題です。というのも、仮に1000ポンド用意したいとすれば、以前は20万円で済んでいたものが、今では25万円必要になるようになったからです。
これにイギリスのインフレが旅行者の傷口に塩を塗るように追い討ちをかけています。ここ数年、イギリスの物価は確実に上がり続け、今年の1月の時点では前年比で3%弱もアップしています。
これだけではピンとこないという方に、ポンド高とインフレによる旅の予算の変化を実感してもらうために、地下鉄の初乗り料金を例に取ってみます。2年前にガイドが書いた『ロンドン市内の交通 (その1)』には、「初乗り2ポンド(約400円)」と記載しましたが、現時点では、「初乗り4ポンド(約1000円)」と記載しなくてはならなくなりました。片道切符が私たちにとっては600円の値上がり、2.5倍に跳ね上がっているのです。
これは極端な例ですが、イギリス旅行の予算は2~3年前の倍はかかると覚悟して用意しておかないと、レストランでチップを置くたびに涙ぐむことになります。
ちなみに、ちょっと前の話になりますが、7年ほど前、2000年の後半に1ポンド=150円台にまで落ちたことがありました。そのときに比べると1ポンドから100円も差が出てしまい、旅の予算はそれこそ数倍になりました。
ポンド高どこまで続くの?
こういう話をすると、「それじゃぁ、イギリス旅行は、落ち着くまでちょっとまったほうが良いと思いますか?」と聞かれるのですが、それは私にはなんとも言えません。恐ろしいことですが、来年のほうがむしろ高くなって、イギリスがさらに遠のく可能性もありますから。それというのも、イギリスがちょっと待っている間にデフレに向かうという話は聞いたことがありませんし、イギリスの堅調な経済と円に比べてはるかに魅力的な金利などの要因で、ポンドが投資家にとって人気のある通貨であることは間違いないからです。
実際の貿易のために行き来しているお金よりも、為替市場で動いているお金がレートを左右しているということは、現実として受け入れるしかありません。
旅行を諦めたり、「マネーゲームのために、旅行というひとの些細な楽しみまで奪うな!」と憤慨しているよりも、旅行に十分なポンドはどうすれば準備できるかを勉強してみるというのはいかがでしょう。
まず手始めに、オールアバウト内で役に立ちそうな記事を以下にまとめてみましたので、参考にしてください。
5年後のロンドンオリンピックに向けて、イギリス旅行の魅力は高まるばかりです。賢くやりくりしてイギリスに踏み立ったときの喜びはきっと大きいと思います。
『円よりメジャーなポンドってどんな通貨?』(AllAbout「外貨投資」)
『円高?円安?誰が決めるの?』(AllAbout「よくわかる経済」)