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お寺へ行こう[1]目黒・大円寺

お寺、神社、公園、あるいはミュージアムといった一度は訪れたい都内各所のスポットをご案内します。お寺の第一回は目黒駅にもほど近い、急坂の途中にある「大円寺」。ずらりとならんだ五百羅漢が圧巻です。

執筆者:妹尾 みえ


一度は行きたいお寺、神社、公園などをご紹介する新シリーズスタート! リクエスト、推薦大歓迎!

<index>
●江戸時代の絶景ポイント<行人坂>・・・・・1
●目黒にあらわる五百体の石仏・・・・・・・・・・1
●悩みをとろけさせてくれるお地蔵さん・・・・・・・・・1
●悲恋のカップル お七と吉三・・・・・・・・・・
●山手七福神の大黒様・・・・・・・・・・
 ●生身の釈迦如来像・・・・・・・・・・



江戸時代の絶景ポイント <行人坂>

行人坂
えちらおっちら。上るも大変、下るも難儀な行人坂昔の人だって同じだったはず。右手にはホリプロなどもあります

目黒駅前から大きく下っていく坂といえば、
そう「権之助(ごんのすけ)坂」です。

それとほぼ並行して、目黒雅叙園のほうへと
下っていく坂に「行人(ぎょうにん)坂」があります。
権之助坂が開かれるまでは
江戸の中心地から、目黒不動尊のほうへと向かうメインストリートでした。
車が一台通れるほどの坂ですが
その車が、まぁよくも滑り落ちていかないものだと、感心するような急坂です。

『江戸名所図会』には「夕日岡 行人坂」というタイトルで描かれています。
遠く富士山、あるいは東京湾に浮かぶ船の白い帆まで見える絶景ポイントとして、坂の上には富士見茶屋もたち、たいそう繁盛していたといいます。

そんな坂のちょうど中程、
坂にへばりつくように 「大円寺」はあります。

目黒にあらわる五百体の石仏 と
江戸三大大火の哀しいエピソード


門をくぐって左手をみやると、まず誰もがびっくり!
斜面に、幾段にもずらりと石仏が並んでいるのです。


一般に五百羅漢(ごひゃくらかん)といいますが、もうちょっとたくさんあると聞きました。しかも、よ~く見ると、ひとつひとつそれぞれに、豊かな表情をしてらっしゃいます。

この石仏は、行人坂の大火と呼ばれる、明和9年(1772)の大火事の犠牲者を弔うために、石工が50年もの歳月をかけて完成させたものです。

なにしろ 大円寺から出たとされる火は、またたく間に燃え広がりなんと今の山手線を軽くまたぎ、神田、浅草、千住のほうまで江戸の大半を焼け尽くしてしまったのです!!

このとき、江戸城のやぐらも焼け落ちてしまったため、お寺は76年もの間、再建することを許されませんでした。

悩みを“とろけ”させてくれるお地蔵さん


この五百羅漢さんの一画に、顔のないお地蔵さんをみつけました。

どうしたものかと、火事のことを思い、ちょっと心配になりましたが
悩みをとろけさせてくれる「とろけ地蔵」 として、信仰を集めているとか。


江戸時代に、漁師が海から引き上げた、ありがたいものだそうです。

水に流す・・・という言い方はありますが、心配事が、とけてなくなってしまうことを想像するとそれだけで何か、こころが広々とするようでした。

ところで、このお寺にはもうひとつ、江戸の大火に関係する人物のお地蔵さんがあるんです。

→悲恋のエピソードで知られるその人とは・・・
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