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圓朝の幽霊画コレクション・・・・・1
8月7日は、噺家大集合「圓朝まつり」・・・・・2
幽霊には足がない!そのルーツ
三崎(さんさき)坂を上がっていくと左手に全生庵が表れる。周囲は、寺・寺・寺の谷中寺町。谷根千散策には欠かせない場所。 |
怖いモノは引きも切りません。
でも、 今もやっぱり怖さの筆頭といえば、幽霊だと思うのです。
(字面もコワイ)
谷中の「全生庵」では、今年も8月1日から、落語家の三遊亭圓朝(1839~1900)がコレクションした幽霊画の公開が始まりました。
これは「圓朝(えんちょう)忌」にちなみ、虫干しもかねて行われるもの。円山応挙らが描いた幽霊画 約40幅が一堂に公開されます。
まずは何はなくともこちらを御覧ください。
幽霊画の数々を拝見することができます。
全生庵TV>幽霊画ギャラリー
現代教養文庫『日本怪談集』表紙に使われているのは、まさしく円山応挙の描いた幽霊画。応挙の幽霊画は、この絵もふくめ、すべて全生庵に保管されている。 |
その透き通るような、はかなげな表情。
じっと見つめていると、今まで聞こえていた夏の音が遠のいて、一瞬無意識の世界に迷い込んだようになります。
幽霊といえば<足がない>のが定番になっていますが、その元を作ったのも、円山応挙の描いた幽霊だったと言われます。
圓朝といえば怪談噺
圓朝という人の十八番(おはこ)は、人情噺と怪談噺(かいだんばなし)。
午前二時丑の刻。
殺された美しいお露が、
添い遂げられなかった新三郎のもとへとやってくる。
カラ~ンコロ~ン と夜な夜な響き渡る下駄の音
・・・でおなじみ「牡丹灯籠」の作者も、圓朝です。
噺家さんのお墓は、得てしてにぎやかで、どことなく華があるような気がする |
伝え聞くところによれば、『百物語』にちなみ、100幅を集める予定だったそうですが、志なかばで他界したようです。
しかし、こうした幽霊画は、100集めるとよくない事が起こると言う人もいるので、かえって良かったのかもしれません。
圓朝は、俳句や華道、書道、はたまた建築などにも造詣が深い、多芸多才な人でした。また禅にも深い関心を示し、その縁で、全生庵を開いた山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)とも交流がありました。
鉄舟は、ご存知のように、江戸城無血開城の立役者であり、明治天皇の侍従として日本の新時代に力を尽くした人物です(左は全生庵にある鉄舟のお墓)。
全生庵には、圓朝ののほかに「春よ来い」「叱られて」の作曲家、弘田龍太郎のお墓もあります。
墓地にはそれぞれに表情があり、また、お寺さんを映す鏡でもあると思います。
そういう意味で、手入れの行き届いた穏やかな禅生庵の墓地は、ご住職の真心を感じる場所でもありました。
<期間> 2005年8月1日(月)~31日(水) 10時~17時
<場所> 谷中全生庵 (台東区谷中5-4-7)
<入場料> 拝観料300円
<交通> 地下鉄千代田線「千駄木駅」徒歩5分
<URL> http://www.theway.jp/zen/
★サイトではご住職のストリーミング講話を聞くことができます。また、坐禅会、写経会についても丁寧な解説があります。