「京都の料亭で会席料理を食べたい!」と思う方は多いはず。でもちょっと待った! アナタは会席のマナーを知っていますか?
「料理の名前がチンプンカンプン」「食べ方が分からなかった」「支払の段になってビックリ! 予想以上の金額で、手持ちでは足りなかった」...
料亭でこんな怖~い事態になってオロオロし、店の人に「野暮なお客さんやなぁ」と思われないよう、事前に基本マナーをおさえましょう。大学時代に老舗料亭でバイトしていた私がおくる、とっておきの懐石・会席料理マニュアルです。
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1.知ってますか? 『懐石』と『会席』の違い……1p.
2.料理が出てくる順番を覚えよう!……2p.
3.ココで差が出る! 食べ方のポイント……3p.
4.『予算オーバー』にならないコツ……4p.
■1.知ってますか? 『懐石』と『会席』の違い
「エッ!『懐石』と『会席』って漢字が違うだけで、内容は全く一緒じゃないの?」と思った方が多いのでは? 仲居さんが料理を1品ずつ運んでくる、その順番には決まりがあるという点では両方同じです。しかし実は歴史も、コースの流れも全く異なるものなのです。まずは『懐石』と『会席』の歴史から説明しましょう。
【懐石料理とは?】 茶道の席で、お茶を飲む前にふるまう料理のこと。茶懐石とも呼ぶこともあります。ですから懐石料理のマナーは、茶道の各流派によって厳しく決められています。ただし、お茶席ではなく普通の料理店で出されるものは食事として気軽に楽しめるようにアレンジされたもの。これなら茶道の心得がなくても大丈夫です。
【会席料理とは?】 昔、武士や貴族が宴会でお客さんをもてなすために出した本膳料理がルーツ。ですから懐石料理のように厳しい作法はありません。現代において、料亭や旅館や結婚披露宴などで出される和食フルコースはほとんど『会席』のほうです。
※懐石料理と会席料理のコース内容の解説は次ページへ