神の島といわれる久高島 |
沖縄の神秘に出会う久高島
斎場御獄に行かれて、自然豊富な沖縄の神秘に魅せられた方はぜひとも久高島に足を伸ばしてください。沖縄の「ニライカナイ信仰」を感じることのできる島です。「ニライカナイ」とは、海のかなたのニライカナイ(楽園)から良きもの(豊穣)も悪しきもの(悪霊)もやってくる、というもので、沖縄の人は亡くなったら「ニライカナイ」に戻って行くと言われています。さて、久高島には土地の個人所有はありません。村有地以外は殆どすべて共有地になっているようです。聖地の場所を記した看板すらありませんので、外部の人には「何も無い島」としか思えません。しかし、敏感な人ならば、島の自然の中のあちらこちらに不思議な空気・神聖な気配を感じるはずです。
久高島はフェリーで約20分の距離です |
なお、久高島に渡るのはそんなに難しいことではありません。沖縄本島の安座真港(あざまこう)と徳仁港(とくじんこう・久高島)を結ぶフェリーが出ています。所要時間20分程度でしょうか。事前にHPで申し込めば久高島のガイドさんに案内してもらえます。
■久高島
・久高島ホームページ
・マップ Yahoo!地図情報
琉球開闢七御嶽
琉球の神話によると、開闢の女神アマミキヨが作ったとされる7つの御嶽があります。もっとも重要なのは前頁で紹介した斎場御嶽ですが、南城市は「琉球神話の里」と言われるだけあって、斎場御獄含めて7つのうち4つが集中しています。・安須森御嶽(あすむぃうたき):国頭郡国頭村辺土岬
・クボウ御嶽:今帰仁城址のそばです。
・斎場御嶽(せーふぁうたき):南城市知念
・薮薩御嶽(やぶさつうたき):南城市玉城
・雨つづ天つぎ御嶽(あまつづてんつぎうたき):南城市玉城、玉城城内
・クボー御嶽(くぼーうたき):南城市知念(久高島)
・首里真玉森御嶽(しゅいまだむいうたき):首里城内
何人たりとも聖地に手を加えてはいけません |
沖縄の聖地における絶対厳守事項
さて、かいつまんで紹介した沖縄の重要な聖地「斎場御獄」と「久高島」ですが、この2つだけでなく、あらゆる聖地(御獄・拝所)において絶対守っていだたきたい大事な厳守事項が1つあります。これに反すると災いが起きるとまで言われていますので、例え観光でおいでになったとしても尊守してくださいね。それは、聖地から、何一つ!持って来ないことです。小石ひとつ拾ってはいけないし、小枝1本手折らないでください。
とくに旧盆(エイサーシーズン)の時期は要注意。数ある聖地のなかには、久高島でわかるように小さな島も含まれています。琉球神話が残る島々には神聖な場所が多いため、海辺で貝殻を拾うことも遠慮したほうが良い場合もあります。訪れた先のそういった事情がわからないときは、地域の方に聞いてみてください。
しかし、こういったことをお知らせすると「じゃあ、聖地に行かなきゃいいのね」となってしまうかもしれませんね。要は、心の問題です。
沖縄の信仰に敬意を表する、あるいは、祈りたいこと、願い事のある方は聖地のなかにゆったりと身を置き、自然と対話してみてください。きっと心安らかな気持ちになれるはず。恐れることは何もありません。
■関連書籍の紹介
・日本人の魂の原郷 沖縄久高島 (新書)
・沖縄聖地巡礼 (単行本)
・江原啓之神紀行4 九州・沖縄 (単行本)