熱い思いで塩を焚き続けてきた「海心窯しおのや」の地本さんですが、取り巻く自然環境の変化により、納得のいく塩を生産することが難しくなったため、窯を閉鎖することを決められたそうです。ほんとに残念です。
塩の製造・販売は7月末までの予定(在庫がなくなり次第終了)。
塩匠が丹精込めて焚いた北海道の塩、最後の塩、ぜひお試しください。
▲汲んで来た海水を3つの釜で焚き上げる地本さん |
海や粒の違いで異なる味わい
奥深い自然海塩の世界
当サイトで何度かご紹介している、三段釜で焚き上げた自然海塩が評判の「海心窯しおのや」さんが、何やら面白いことを始めました。使う海水や粒の大きさが異なる塩匠(しおしょう)シリーズと、世界で1つだけの塩のオーダーメイドを始めたというのです。
窯元の地本さんはこう話します。
塩焚き職人のロマンといいましょうか、ここまで来ると塩のアートですね。
現在、使う海水はこちらの4種類。いずれも地本さんが厳選した、生活廃水の影響が限りなく少ない安心な海水ばかり。
■太平洋・豊浦町礼文華(れぶんげ)
道南胆振管内の西端に位置し、太平洋に面して大きく南に開けた海岸線。奇岩がつくり出す風景美は、斉藤茂吉、与謝野鉄寛・晶子、伊藤整など、近代文学を代表する文人を魅了したロマンチック海岸でもあります。
■日本海・寿都町弁慶岬
透明度の高い海で知られる弁慶岬。日本最北のブナの森の豊かな養分が朱太川に溶け込み、この海へと注ぐため、栄養分たっぷり。「しおのや」の定番・釜焚き塩”海のしっぽ”は、この海水を使用。
■日本海・島牧村江ノ島海岸
江ノ島海岸は日本の渚100選のひとつ。4Kmにわたって続く海岸にはメノウなどの銘石もあり、美しい砂浜が光り輝いています。また、背後には険しい山が広がり、栄養を蓄えた清涼な水が川を伝い、島牧の海へと注いでいます。
■日本海・岩内町の海洋深層水
水深200m以下、太陽光線が届かない深海を流れる海水のこと。約2000年間、一度も大気と接することなく深海を循環し続けているのだとか。「人間が覗けないところにある海水は神秘的ですし、いろんな刺激を受ける海水です」と地本さん。
焚き方で粒の大きさをサラサラのパウダー状にしたり、粗塩にすることも可能。また、ミネラル感=苦味の調整もOK。これらは地本さんとの話し合いで決めていき、世界でたった1つだけのこだわりのオーダーメイド自然海塩ができるのです。
一度の釜焚きでつくられる4~5kgすべて買い取りが条件です。結婚式の引き出物、記念日の記念品にするのもいいですよね。
さて気になるお味は…。