北海道の旬味めぐり・その１　北の海に春近し！旬の魚介類情報

３月に入ったとはいえ、まだまだ寒い日が続く北海道。でも、魚介類の中には春の訪れが近いことを告げる海の幸が出始めています。
その代表が「ヤリイカ」。北海道の中で真っ先に春が訪れる街・松前町から漁が始まり、函館市など道南地方で例年５月頃まで漁が続きます。

ところで、北海道で漁獲がある２大イカには＜ヤリイカ＞と＜スルメイカ＞があるのをご存知ですか？　スルメイカは道内では真イカとも夏イカ呼ばれ、身厚で大きなボディをしています。イカそうめんで使われるのはこちら。詳しくは、旬の時期（夏～秋）に改めてご紹介しますのでお楽しみしみに。

さて、本題のヤリイカですが、細長いシルエットと薄くやわらかな身肉が特徴。漁期は冬～春ですが、雌が卵を持ついま時期が個人的におすすめ！　というのも、ヤリイカは卵を一緒に食べるのが通な食べ方なのです。
地元の漁師さん曰く、「ヤリイカの刺身はさ、醤油に生の卵を混ぜたので食べたら、身っこのコリコリと卵のトロッとした食感がも～やめらんない旨さだよ」。ご飯にもお酒にもぴったり。元食いしん坊の俳優Ｔ・Ｔさんも、取材先のお店で絶賛したほど。当然、超新鮮じゃなきゃ味わえない贅沢な食べ方ですよね。

ヤリイカは煮つけても美味。卵入りで姿のまま煮ると、生のトロッとした食感とはまた違う、むっちりした感じがいいのですよ。
松前の居酒屋や定食屋では、その日の朝に港に揚がった鮮度抜群のヤリイカを卵と一緒に食べさせてくれるお店が多いようですので、ぜひお出かけください（ただし漁が不安定なので、確認や予約が賢明です）。


大きな「ボタンエビ」も初春の味です。太平洋のえりも沖、噴火湾（内浦湾）沖、留萌など日本海側で漁があります。ちなみに、エビ漁はカゴを仕掛けて獲るのが一般的。港にあがったボタンはビチビチと跳ねる活魚の状態で、築地や関西方面へ直送されるものも。体長は平均が１７センチと大ぶりで、２０センチを超える大物も多く出回ります。この食べ応えある大きさが魅力ですよね。