短期で急上昇なら利益確定を考えよう
市場の状況や銘柄によっては、短期的に株価が大きく値上がりすることがあります。短期で思ったより大きく上がったときには、その企業の先の先まで織り込まれている可能性があり、十分なリターンが得られると判断した投資家が利益確定し、株価が下落することも考えられます。長期保有で大きな値上がり益を狙うのが基本ではありますが、ある程度のところで利益確定を考えてみるのもいいでしょう。
いったん売ったあとでも、その銘柄に魅力があると感じるなら、下がったところで再び買うのも良さそうです。
時には損切りを考えなければいけない場合も
銘柄を厳選したつもりでも、株価が思うように上がらない、下がってしまう、ということもありえます。短期的に値下がりすることは珍しくありませんし、自信をもって選んだ銘柄なら、じっくり待つ、という選択肢もあります。とはいえ、この自信は独りよがりではない? 知らないニュースはない?と、自問自答してみることも大切です。値下がりの原因はさまざまですが、増資などが行われると、1株当たりの利益が減るなどで魅力が薄れたと判断され、売られる原因になることがあります。食品偽装のような不祥事も大きなダメージです。これらのニュースは新聞の社会面やニュースなどでも報道されますから、日頃からチェックしておきましょう。
さて、下がってしまったらどうするか。自分で選んだ銘柄ということもあり、売って損するのは抵抗があるものです。損を拡大させないためには、あらかじめ、何%下がったら損切りする、という目安を持つのも一案です。
一時的な要因で値下がりしていても、潜在力がある銘柄なら、どこかで下げ止まります。回復が期待できると判断するなら、保有を続けるという選択肢もあります。その場合は悪材料の影響の大きさはもちろん、業績、財務状況を慎重にチェックしましょう。
また株式市場では相場全体が下がってしまうこともあります。
銘柄の魅力に変わりがなく、市場の影響を受けているだけ、と思うなら相場急落でも保有を続けていいでしょう。そのためには、自信が持てるようにしっかりチェックして銘柄を選ぶ。それが株式投資の鉄則であり、必勝法といえるでしょう。
取材・文/高橋晴美 監修/インベストラスト福永博之