法事・法要の手順/お彼岸の過ごし方

先祖供養する仏教行事 お彼岸

今回はお彼岸のいわれ、お墓参りの仕方などを解説。普段から忙しくてなかなか行けないお墓参り、この機会にぜひご家族で。

執筆者:中山 隆司

彼岸は彼岸会(ひがんえ)ともいい、春分の日、秋分の日を中心に前後三日、合わせて七日間をいいます。この期間に先祖供養が行われるわけですが、単に「彼岸」というと春の彼岸をいい、秋の彼岸は「秋彼岸」といいます。

彼岸には盆の時のように決まった行事や飾り付けはありませんが、一般的には家族でお墓参りに出かけることが多いようです。昔から「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように彼岸前後から過ごしやすい季節になりますね。

【お彼岸のいわれ】

最初の日を「彼岸入り」春分の日を「中日」最後の日を「彼岸の明け」といいます。彼岸とは仏教でいう俗世界に対する佛の世界のことで現世に対してあちら側という意味です。

春分の日、秋分の日は太陽が真西に沈むので、真西には極楽浄土があるという仏教説から、先祖の霊を供養する仏事が行われるならわしとなりました。この時期にお寺では七日間に渡って彼岸会(ひがんえ)が行われ、家庭でも先祖の霊を供養するために、仏壇にお供えをしたり、お墓参りをします。

【「ぼたもち」と「おはぎ」】

仏壇がある家では彼岸前にでも掃除をし、花などを生け、ぼたもちなどをお供えします。春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」といいますが、実は同じ物。これは季節の花に関係しています。春は牡丹、秋は萩にたとえられています。

【初めて彼岸を迎える】

故人にとって初めて迎えるお彼岸の供養は特に手厚く行います。お彼岸入りの前までに仏壇、仏具を綺麗にし、お花や供物を供えます。彼岸の中日には彼岸だんごをそなえ線香をたきます。できれば僧侶を招き読経してもらいたいものですが、招かない場合でもお墓参りは行いたいものです。また、家族やごく親しい人で供養しますのでその他の方は招待する必要はありません。

ただし、遺族などから声がかかることがなくても、故人と特に親しい場合はお墓参りをしたいものです。特に遺族に断らなくてはいけないことはありませんので季節の花や好物などを供えて冥福を祈ります。

【お墓参り】

お墓参りですが、彼岸中であればいつ行ってもかまいません。用意するものは生花、線香、ロウソク、御供物、マッチ、数珠、ゴミ袋、ほうき、ちりとり、手桶とひしゃくなどです。

お墓参りの手順ですが、墓の掃除(周囲の雑草、お墓のよごれ)、生花・御供物を供える、線香に火をつけ供える、手桶の水を墓石にかける、その後しゃがんで合掌し一礼、という手順で行います。ふだんは忙しくていけないお墓参りですが家族そろってお参りしましょう。

【僧侶を招く場合】

自宅に僧侶を招く場合は、読経の謝礼(僧侶)としてお布施とお車代を包みます。のし袋は白無地のものを用い、表書きは「御布施」「御車代」とします。お布施の金額の目安はそれぞれなので菩提寺に相談するのがいいと思います。

<関連サイト>
法要・お盆・お彼岸
法要のマナー情報。年忌日や法要・法事についてやお盆とお彼岸に関しても詳しく解説しているサイトを紹介。
おはぎとぼたもち
辞書・事典のガイドさんの記事に「おはぎとぼたもち」の詳しい解説があります。

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