防災/防災関連情報

地震で起きる火災の恐さを知る

大震災が起きると、必ず火災が同時多発的に発生します。そこで恐いのは家屋に閉じ込められて逃げ遅れること。また高層火災が起きるとさらに危険は高まります。消防に頼れないその時。あなたはどうしますか?

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

大震災では圧死とともに火災による死者が多く発生します。これは地震の発生時間にもより大きく変わります。不幸にも火を使う、夕方の炊事の時間帯であったりすると、多数の火災が同時発生することになります。また阪神・淡路大震災の際には、電気が回復したとたんに、倒壊した家屋から、同時に多くの火災が発生しました。これが通電火災と呼ばれるものです。当時よりも今は木造家屋が少なくなっているとはいえ、東京都の被害発生予測でも、M7クラスの地震の際には消失家屋が25%を超える地域もあると予想されています。そこで今回は地震で起きる火災被害からどうやって生き残るかを考えてみたいと思います。

震災で家屋から火が出ると

火事現場
火災が起きると何台もの消防車が現場に出動します。でも同時に何箇所も火の手が上がったらどうなるでしょう?
震度6以上の震災では火災が同時多発的に起きると考えられるため、公的な消防活動はあまり期待できません。まずは自分で消火するか、もしくは地元の消防団などに頼るほかはないのです。ちなみに人口が80万人いる、都内のある区でも、調べてみると、消防車(はしご車)は7台しかありませんでした。4~5ヶ所も同時に火事が起きたなら、その後の火事は対処不可能ですよね。

大震災の時の火事は自分で消す以外にないと思ってください。阪神・淡路大震災の時、上空から見た火事の映像は凄まじいものがありましたが、あんなことが他の地域でも起きる可能性は十分にあります。例えば東京でも木造家屋の密集地域はやはり危険度は高いと思われます。(下記リンク参照)

そこでいくつもの同時多発火災が起きたなら…やはり自助努力、地域での消火活動に頼るをほかないのが現実なのです。

焼死は倒壊が原因?

阪神・淡路大震災で犠牲になった人の数は5500名以上ですが、その約10%弱が焼死したといわれています。しかしこの中には圧死や閉じ込められてしまい、結果的に焼死が原因とされてしまった人も含まれています。そういう意味では家の耐震化ももちろん、震災時に閉じ込められたり、ケガを負って、避難が遅れたりしないような家具の配置や固定などを考慮する必要がありますよね。そしてデータによるとやはり倒壊家屋の1Fに寝室のあった高齢者が、逃げ遅れて被害にあっているというケースが目立ったようです。

火災による被害は、就寝時に起きた場合に格段に大きなものになるといわれています。多くは焼死よりも煙による一酸化炭素中毒による中毒が原因で逃げ遅れ、結果的に焼死してしまうこともあります。

ではこれらの被害確立を下げるためにはどうしたらよいのでしょうか。


【関連サイト】
東京都の火炎危険度(PDF)




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