3月4日午前9時20分ころ、名古屋市千種区で古い消火器が解体作業中に突然破裂し、作業をしていた方が顔面に消火器本体の直撃を受けて亡くなる事故が起きました。

破裂した消火器は1979年度製。製造日から22年経ち、底部には錆があったといいます。古くなった消火器を廃棄するため、中身を放射させたところ、ホースの詰まりが原因で、気体が消火器内部に閉じ込められ、内部の圧力が高まった結果、事故が起こったとのことです。

消火器の破裂事故は極めて稀ですが、何年かに一度の頻度でくり返し発生しています。そして、発生したときには大きな事故となるケースが多いだけに注意が必要です。

今回、事故が起きた消火器は『粉末ABC10型 加圧式』と呼ばれるもので、消火器内部に二酸化炭素などのボンベが入っています(右写真参照:銀色の丸みを帯びた容器がボンベ部)。同型式の消火器は、レバーを握るとカッターがボンベの封板を破り、消火器の内部の圧力を高めて消火剤を噴出するようになっています。

どの位の圧力が消火器内部にかかるのかといいますと、今回事故が起きた消火器と同型のものでは、最大時には約15kgf /平方cmにものぼります。大気圧がおよそ1kgf/平方cm ですから、かなりの圧力の加わることがお分かりいただけると思います(薬剤量、メーカーにより差がある)。

今回の破裂事故は、そうした圧力に老朽化した容器が耐えられなかった結果、起こったものだったのです。

では、破裂事故を防ぐために注意すべきことには何があるでしょうか?

まず、挙げられることに、錆や傷、変形のチェックが挙げられます。消火器本体に著しい錆や傷、変形のあるものは、その部分から破裂が起こるケースが考えられます。そのため、絶対に使用は避けるようにしてください。たとえ緊急時であっても、そうした消火器は使用しないでください。

次に注意してもらいたいことに、耐用年数のチェックがあります。耐用年数とは、消火器が安全に使用できる期間のことです。年数は消火器のタイプによって異なり、粉末式や強化液など5年から8年までの幅があります。

もしご家庭で使用されている消火器がどのようなタイプのものか分からない場合は、メーカーに直接尋ねてみるのがよいでしょう。製造日はわかるものの耐用年数がわからない場合には、比較的短めの期限である5年を目安に交換することをお薦めします。

消防法による義務設置外の家庭用消火器は、点検が義務付けられていないために耐用年数を見逃しがちです。最近の消火器はPL法の施行により、本体ラベルや使用上の御注意、取扱い説明書などに耐用年数が必ず明示されていますから、期限をしっかりと確認しておきましょう。

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