誰に対しての対策なのか?
ストーブが、主に活躍するのは寒い季節に集中しています。ストーブに安全装置を取り付ける法令が制定されてからは、「ストーブによる火災」は、年々減少しています。せっかくの安全対策も、使う人が取り扱い方法を間違ったり、注意事項を守らなければ、この火災はいつまで経ってもなくなることはありません。
家の中に「火」を入れる事に対し、もっともっと警戒心を高めなければいけませんし、小さなお子さんがいるお家では「いたずら対策」。お年寄りのいるお家では「消し忘れ対策」など、家族構成ごとに対策は異なります。
私の家も、昔は石油ストーブを使用していました。おじいちゃんが、ストーブの上で焼いてくれる銀杏と、手作りのおせんべいの味は今でも忘れられません。我が家では、ストーブの上には「やかん」や熱燗の為の「なべ」があるのが大原則。これを準備しないでストーブに火をつけると、どんなに寒くてもその日はストーブ禁止。我が家における絶対のルールでした。
地震などでストーブが倒れたら、「一緒に水がこぼれて火が延焼しないから」と、いう理由でした。実際には、灯油などの「第4類危険物=引火性液体」の消火には、水の使用は×ですが、私が言いたいのは「家長の威厳(いげん)」。
最近は核家族が進み、自分本位のバラバラ家族が増えてきてしまいましたが、「オレ(私)の家はオレが守る!」という考え方は非常に大事な事だと思います。
乾燥機ではありません!
寒い季節は洗濯物が乾きにくいので早く乾かす為に、ついストーブの真上や近くで洗濯物を乾かしてしまうという人、いませんか?
これは、危険ですよ!絶対にやめましょう。
洗濯物は、乾いてくると軽くなります。そして、乾くと言う事は、可燃性も抜群になるという事。軽くて可燃性が抜群になった洗濯物は、ストーブの上に干したままにしていると、熱によって暖められた空気でできた上昇気流により、ひらひらと揺れてしまう事があります。すると、しっかりとハンガーにかけてあったはずの洗濯物が、ハラリと落ちてしまいストーブの上に……。
う~ん。
嘘みたいですが、実際に非常に多く発生しています。
ガソリンもアルコール燃料も×
ガソリンは、基本的には専用の容器以外には給油をしてはいけない事になっていますが、ポリタンクでも給油してしまうガソリンスタンドがあります。何らかの理由で、ポリタンクに給油されたガソリンは、素人目には灯油と区別する事は難しくなってしまいます。その為、年間に数件の誤給油によるストーブ火災が発生しています。
ガソリンを誤給油すると、異常燃焼により燃焼筒から炎があがるので気付く事が出来ます。少し難しい話になってしまいますが、この辺りを詳しく説明させてください。ガソリンは灯油と比べると蒸気圧が高いので、燃焼筒で熱された時の温度でカートリッジ(油タンク)が膨張してしまい、燃料が過剰に押し出されてしまい油受け皿という部分からあふれ出てしまいます。そして、気化した燃料に引火、火災となります。
アルコール燃料の場合も、ほぼ同じ要領で火災となりますが、異常燃焼による燃焼筒からの炎はあがらない事がわかっていますので、誤給油に気付かない可能性もあります。ご注意下さい。
スプレーは近づけないで!
スプレー缶をストーブの近くに置きっぱなしにするのも危険。暖められて中のガスが膨張し、爆発して火災にまで発展してしまう事もあります。爆発だけでも十分怖いです…。
近くで使用しただけでも危険です。実際に火災例がありますので、ヘアースプレーなどは封入してあるガスの種類をチェックしてみましょう。ほとんどは火気厳禁という使用説明があるはずです。
煤(すす)やホコリは厳禁。
長く使用したストーブは、内部に煤などが溜まっています。燃焼室の網や芯の部分に溜まった煤は、異常燃焼の原因となります。また、ファンヒーターの場合は内部のホコリも目詰まりや異常燃焼の原因となりますので、ストーブは定期的に清掃・交換をする事をオススメします。
>>次のページでは、チェックリストを作成しましたので、危険度チェックをしてみましょう!!
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