この救出ロボットの愛称は『ロボキュー』。
東京消防庁が所有する無人救助ロボットです。
消防隊員が進入できないような現場で、逃げ遅れた人がいたとき、その救助に威力を発揮します。例えば、二酸化炭素消火設備が作動して、二酸化炭素が区画内に充満しているときは、消防隊員もうかつには突入できません。二酸化炭素は、わずか数呼吸で死に至る危険なガス系消火設備。もしも、このようなところに要救助者が残されてしまっていたら、事態は一刻を争います。
そこで、このロボットの登場! 専用のロボット搬送車に載せられて現場に到着すると、ロボキューは遠隔操作で救助活動をはじめます。
操作制御装置のモニターには、ロボキューに取り付けられた前方監視カメラ・濃煙内撮像装置などが映し出され、消防隊員はそれを見ながら操作します。要救助者を発見すると、訓練を積んだ消防隊員は操作制御装置のマスターアームという制御装置で、最新式のマニピュレータ(人間の手のように動かす事を目標とした機械の腕)2本を操作して要救助者を緑色の救助台まで移動し、ロボット内に収容するのです。
このマスターアームは、物をつかむ感覚や人の重みを感じる事ができるということです。それでも、マニピュレーターからマスターアームに伝わった感覚を頼りに人を救助したり、瓦礫や障害物を移動させるには作業に熟練した消防隊員でなければ難しいそうです。
無事、ロボット内に救助された人は人体に危険を及ぼす二酸化炭素を吸入している可能性が十分ありますので、ロボキュー内部には常に新鮮な空気が供給されています。(劇物や汚染物でも同じ)