防災/防災関連情報

七つ道具に入れるには危険すぎ! これを使用した犯罪者は苦しむ!?

6月18日の「ATM爆発火災」「武富士強盗殺人事件」とガソリンを使用した放火犯罪が相次ぎ、模倣犯も増えています。しかし、結果は犯人の予期せぬ事態を引き起こしています。

執筆者:荒井 健一


なぜか昨今の犯罪に、ガソリンが多く使用されています。
最も影響を与えた事件に「武富士放火殺人」が挙げられますが、この事件は犯人にとっても予想外の事態が続き、脅しの為にまいたガソリンも最終的には自分の逃走経路の確保のために火をつけたという事でした。
その結果、大勢の方が亡くなりました。犯人によると、あくまで脅しの為で殺意はなかったとのことですが、この事件の第二回公判ではガソリンの危険性を自身の体験から知っていた事もわかりました。

この事件をきっかけに、ガソリンや灯油を使った類似事件は全国で約150件発生しましたが、小林被告逮捕後は同様の手口を使った模倣犯は激減しました。

「ATM爆発火災」では、犯人と見られる警備員が「火だるま」になるなど、犯人にとっては信じられない出来事だったでしょう。発火の原因はわかっておりませんが、火がつく原因が多すぎるので捜査本部も大変だと思います。これらの事例から見ても、ガソリンを犯罪に使用する事は愚の骨頂ともいえます。

この事件ではATMコーナーで出火しましたが、ポリ容器にいれてガソリンを移動させている場合は、移動中に車の中で発火・炎上しても不思議ではありません。

そもそもガソリンを移動するには専用の「金属容器」に入れなければならないのです。ポリ容器に入れる際、容器とガソリンとの摩擦により静電気が発生する可能性が有るために、ポリ容器などのガソリン用とは定められていない素材への給油が禁止されているのです。この為給油所等での給油も専用容器以外には出来ないのです。

これらのことから、犯人はポリ容器に自分で入れ替えていたと思われますが、ガソリンの入れ替え時にも危険があるのです。最近話題の「セルフ給油」でも、静電気が原因で給油中に発火するという事故がおきていますが、危険物を取り扱う為の施設でも事故が起きるほど、ガソリンは取り扱いが難しいのです。もしも犯人の自宅などで入れ替えていれば、静電気の発生する確率は格段に上がってしまいます。さらに車での移動中も揺れるために静電気の発生は否めません。

ATMコーナーで、犯人が何をしてガソリンに引火したのかはまだわかっていません。しかし、犯罪を実行している最中には「人の目」も気になるでしょうし、犯人なりに様々な計算をしていたことは簡単に想像出来ます。
そのような状況下で、ガソリンをまいたのならば、さらに危険は高まります。
例えば、ドラマなどでよくやるようにバシャバシャとまけば、ガソリンはあちらこちらに飛び跳ねます。もしも、コンセントが近くに有れば、まいたガソリンがかかったときにショートしてしまうでしょう。家電製品でも同様ですが、その際に火花が飛び散ればそれだけで発火してしまいます。

ガソリンの揮発性というのはとても危険な性質で、私も以前火傷を負ったことがあります。お恥ずかしい話ですが、危険性の目安にもなるかと思い掲載しました。

そして、もしも…。もしも火を使った犯罪を考えている方が読んでいましたら、次ページを読んでみてください。こんなバカはそうそういないと思うかも知れませんが、予想外の出来事とは、そんなものです。
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