この事件をニュースで知ったとき、私は背筋が寒くなりました。偶然居合わせた場所でこのような事件に巻き込まれて「火だるま」なんて、運が悪いなどという言葉ではすまされないでしょう。お金を引き出しに入っただけでそんな事件に巻き込まれた方に心から同情しました。
ところが、事件の数日後には火だるまになった人は犯人の可能性があるという報道がされはじめたではないですか。もしも、この警備員の方が犯人ならば自業自得ですが、巻き込まれた方々はとんだ災難です。
以前、「武富士放火事件」でもガソリンの恐ろしさについて書きましたが、取り扱いには十分な注意が必要な危険物が、素人同然の犯罪者によって使用されることは、一般市民にとっても予期せぬ事態を引き起こしてしまうためにとても危険です。
それでは、もしも巻き込まれてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
ガソリンの基礎知識・消火方法についてはコチラを見ていただくとして、緊急時の注意事項を覚えておいていただきたいと思います。
ガソリン火災で絶対にしてはいけない事は、水を使用しての消火です。
比重が水よりも軽いために、ガソリンが水の表面に浮いたまま移動してしまうので、火がついていれば延焼を拡大してしまいますし、まだ火がついていない場合は火点に流れついた時点で発火してしまい、危険な状態となります。
基本は消火器を使用する事。ほとんどの消火器で消火が可能ですが、近くに無い場合は、服でも布でもいいので火を覆うようにして空気を遮断しましょう。その際、当然ですが出来る限り燃えにくく溶けにくい素材を選んでください。
無事消火できたら、火傷をした患部を流水で冷やしてください。
時間は最低でも20分必要です。服を着ている場合は無理に脱がさずに、服の上からそのまま水をかけて冷やしましょう。
とにかく慌てないで落ち着きましょう。救急車を呼ぶ間も冷やすのは止めないでください。無理をすれば皮膚がはがれてしまうこともあり、確実に火傷の跡が残ってしまいます。
比較的軽度の火傷で、歩いて病院に行くような場合は清潔なタオルやガーゼで患部を覆い、ばい菌の付着を避けてください。
以上の事を守れば、被害は最小限におさめられるでしょう。ただしあくまでも応急処置の一例です。詳しくは「健康・医療」のサイトで調べましょう。
今回の事件で、犯人と見られる警備員は火だるまとなった直後、周りの人に手伝ってもらいながら作業服を脱いでしまいました。全身を火傷しているために体のあちらこちらから出血しているのに、下着姿のまま自分の車まで行き、エンジンをかけたそうです。
その行動を不審に思った捜査員に止められ、発車をあきらめたようですが、救急車の到着を待っている間に意識をなくしたそうです。
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