やり過ぎは禁物
すでに先住犬がいる場合、犬同士の触れ合いは充分期待できるが、それだけで安心せず、他の犬とも触れ合えるチャンスを。 |
最近ではパピーパーティーやドッグランなどに行く人も多くなっていますが、子犬をいろいろな犬に慣らせたいと、いきなり犬達の輪の中に入れることは考えものです。最初から一緒に遊べる子もいるかもしれませんが、自分よりずっと大きな犬達に囲まれたり、追い駆けられたりすることによって怖さを感じ、それがトラウマになってしまう子もいます。
こうした失敗は後々まで尾を引きますので、他の犬や人、もの、環境など、いろいろなものに慣らす時には、無理のないように少しずつ段階を踏んで慣らすようにしましょう。何か苦手なものがあったら、その一つ前の段階に戻すといったふうに。他の犬と遊ばせる時には、相手を選び、子犬から目を離さないようにすることが賢明です。
自分の環境を再考
犬の成長段階を理解し、病気や健康管理、お手入れの仕方などを一通り頭に入れたら、今一度考えてみてください、自分が本当にその犬を飼えるか?ということを。■家族はみんな賛成していますか?
■散歩やお手入れをする時間が確保できますか?
■食費や医療費など、犬のための費用をある程度用意できますか?
■住宅環境に問題はありませんか?
■その子がどんな状況になろうと、一生涯面倒を見る自信がありますか?
以上の質問の答えが全てYesなら、今後お世話になるかもしれない動物病院やトレーナーさんの情報も集めておきましょう。ことしつけ・トレーニングに関しては変化の時を迎えていますので、それぞれの主張を持った多くの専門家が次々と登場しています。
そんな中、ガイドは、「よかれと思ってあちこちいろいろなトレーナーさんのところに通った結果、考え方がごちゃごちゃになってしまって、犬への接し方も統一性がなくなってしまった気がする」という飼い主さんのお話を聞いたことがあります。子犬を迎えてからの最初の一年は特に大切ですから、ある程度、この人ならと信頼できるトレーナーさんが見つけられていれば、余計な回り道をすることなく、的確なアドバイスを受けながら、しつけにもスムーズに取り組めるかもしれませんね。そのためにも、アンテナは張り巡らせておきましょう。
基本は楽しく、考え過ぎない
最後に一言。犬を飼う前に、犬についていろいろ知ることは確かに大切なことです。しかし、頭でっかちになり過ぎないこと、考え過ぎないこと、これもとっても大事なこと。とかく最近は様々な情報が溢れていますので、一昔前に比べて飼い主さん達の知識が圧倒的に豊富になったことは確かです。その一方で、自動車の運転マニュアルの如く、なんでも“法則”に当てはめて考えがちな現実があることは否定できない事実でしょう。
犬は生きているものです、それぞれに個性があります、飼い主同様に。飼育本に書いてあるとおりにいかないとなっても、それはなんの不思議もありません。本に書いてあることは、基本的なこと、平均的なことなのですから。そこに書いてあることと現実とのギャップをなんとか考えて埋めることも、犬と暮らす楽しみの一つ、そのくらいの余裕を持った考え方ができるといいですね。
みなさん犬との生活をエンジョイしたくて犬を飼うはずです。ならば、そのご家庭ご家庭で困らない程度のしつけさえできていれば、あとは堅苦しく考えず、型に填めず、肩の力を抜いて、その子の個性を尊重してあげましょう。そこにきっと、あなたと愛犬とだけの特別な世界が築けるはずです。
これから犬と暮らしてみたいと思っている人達へ。あなたにぴったりの子が見つかりますように、と願いつつ。
参考資料 / 関連ホームページ:
環境省ホームページ<動物の愛護・管理について>より パンフレット「捨てないで 迷子にしないで ~42万頭の叫び~」
環境省ホームページ<動物の愛護・管理について>より パンフレット「飼う前に考えて!」