ネガティブをポジティブに変える 駒沢公園通りにできた未体験ゾーン 以前から気になっていた世田谷区等々力の『ISSO Special Teme Collection』に遊びに行ってきました。「人と犬が都会でよりよく暮らすためのお手伝いがしたい」というオーナー高橋一聡さんの気持ちから生まれたこの空間。そこはこれまでの概念にはなかった、まったく新しい未体験ゾーンでした。 『ISSO』の具体的なサービスは、今のところ24時間対応のドッグ・アテンディング・システム。そう、犬のお預かりです。 犬との暮らしは、わたしたちに素晴らしい時間をもたらしてくれますが、反面「犬がいるから…」という制約が生まれることも事実。その「ネガティブな部分をポジティブに変える」ことを目標に立ち上げられたのが『ISSO』だと、オーナーの高橋一聡さんは言います。 犬への想いを熱く語る一聡さん 「飼い主さんたちは、愛犬のことを気にされて思うように外出も旅行できないなど、いろいろな制約を受けていますね。そんな人たちのためにもそうした制約をひとつでもいいから取り除いてあげたい。1頭1頭、犬たちのことを理解しながら、飼い主さんの都合に合わせて預かることを第一目標にしています」 “おばあちゃんち”に来た気分で 大好きな家族と離ればなれでも甘えさせてくれる“おばあちゃん”がいる だから『ISSO』は、24時間・365日いつでもチェックイン&アウトが可能。 仕事で帰宅が深夜になったり、帰宅時間のあいまいなパーティへの出席、急な出張や早朝からの会議などが続いても、とにかく時間を気にせず安心して預けることができるわけで す。数時間単位での利用も可能。自宅への送迎サービスにも対応してくれます。 どの時間帯に預けにいっても引き取りにいってもOKというだけでなく、飼い主さんの希望する対応を心がけていることも大きな特徴といえるでしょう。たとえば、散歩の時間や回数、食事の与え方など、普段おうちにいるときと同じペースでやってくれるというのです。 オールドのポーちゃんは常連さん スタッフであるライフドッグアテンダントの存在は、犬たちにとって先生でも友だちでもなく、祖父母のような存在なんですと高橋さん。 「犬たちにとって非日常であるこの場所が、おうちにいるよりも楽しく過ごせる場所にしてあげたい。おじいちゃんおばあちゃんって、基本的な道徳観を教える以外は、少々甘やかしても孫たちが楽しく過ごしてくれることが大切だと思っている存在ですよね。ですから『ISSO』では、性格や健康状態、ライフスタイルなどをくわしくお聞きした上で、1頭1頭と正面から向き合う覚悟でお預かりします。ちっとも苦ではありません」 アテンダントは24時間体制 ポーちゃんとSプードルのトーイちゃんにとってアテンダントの丸山寛子さんは若い“おばあちゃん” 犬を預かっているクラブハウスがあるのは建物の3階。ここは二重窓になっているので、外からの音に敏感な犬でもリラックスできるよう環境に配慮がされています。レイアウトとしては、入ってすぐがドッグランといってもいいほど広いスペース。事務机やソファーなどが置いてあり、ふつうの家のリビングを思わせます。 そしてその奥には、引き戸で仕切られた個別のお休みスペースが…。こちらは、ちょっと神経質な子がくつろいだり、お昼寝したくなった子が安眠できるような区切りのある小スペースに分かれています。 犬たちは、基本的には同じフロアでアテンダントといっしょに伸び伸びと遊んで過ごしますが、相性の悪い子どうしは、遊ぶ時間を別々にしたりするそうです。夜はソファやベッド、あるいは奥の別室で、と本人が一番心地よい場所を選んで休むことができます。もちろんアテンダントたちも一緒の部屋で過ごすとか(すごい!)。また、散歩に行けない雨の日には、1Fにあるフリースペースに移動して気分を変えて遊ぶなど、いろいろ心配りをするとも言います。ほんとに至れり尽くせりですよね。 定期的に専門家を呼んで交流も 奥の小部屋でお昼寝中だったチワワちゃんたちアテンダントの西田さんにべったり! ライフドッグアテンダントになるのに、特定の資格は必要ないと高橋さん。 「資格を持っていたりすると、固定観念が邪魔をして、新しく迎える子をその犬種の特性などで一括りにしようとしてしまう傾向があると思うんです。そうすると、その子のあるがままの個性をまっすぐ見ることができなくなってしまう場合がある。それは困ると。『ISSO』では、犬を年齢や犬種や飼い主さんの生活形態とかで一括りにはしたくないと思っています」 写真付きの報告アルバムでその日の様子がバッチリ! ここでは、その子の個性に合わせたケアができるよう、飼い主さんに愛犬の性格や好みを聞き、オーダーシートに記入。お預かりの期間中、毎日の様子を写真付きの報告アルバムにまとめ、帰り際に飼い主さんに手渡しています。飼い主さんは、預けた自分の愛犬がどんな体調でどんな生活をしていたか、一目でわかるということですね。 「こうして1頭1頭と接し、彼らのことをより深く知りたくなれば、その犬種のことも自然と知りたくなる。そういう形で知識を蓄積できてこそ、本当の意味で犬の知識が身に付くことになるんじゃないでしょうか」(高橋さん) しかし、だからといって知識は何も必要ないというのではなく、トレーナーや獣医さん、トリマーさんなど専門家とのおつきあいは大切にし、間口をどんどん広げていきたいと、定期的にそうした人たちを呼んで交流を図っているそうです。 次のページでは2F・1Fスペースをご案内します!12次のページへ