離婚/離婚の体験談

ベテラン妻に学ぶ夫婦関係の極意(3ページ目)

憎み合って傷つけ合っても、乗り越えたその先には夫婦愛や夫婦の絆が―。夫婦関係は添い遂げてみないとわからない、ということは、どうやらあるようです。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド


浮気夫を許せる?許せない?

悩み
憎み切れない何かが私をつなぎとめた
確かに夫は浮気をしても家計を圧迫するようなお金の遣い方はせず、お小遣いの範囲で遊んでいました。生活費は入れてくれていたし、休みの日には2人の息子の野球のコーチをしたり、キャンプに連れて行ったり男親ならではの役割を果たしている。夫の浮気は許せないとはらわた煮えくりかえるほどの思いはあれど、その1点だけで自分が怒りを爆発させて、離婚を主張し、子どもたちから父親を奪ってしまうのは、どうなんだろう?最良の選択と言えるのだろうか?

M子さんは夫の浮気に気づく度にこの問いを何度も何度も自分自身に投げかけてきたそうです。それでも結局離婚する道を選ぶまではいつも行かないのでした。とはいえ、割り切ったつもりでいても夫への恨みは消せず、「5年くらい会話らしい会話をしなかった時期もあったんです」。

定年退職と同時に夫が変わった!

「夫の浮気癖は定年退職と共にぱったりなくなったようです。私が気付いていないだけかも知れませんが、おそらく。定年退職と同時に夫婦で始めたことがあるんです。それは日本全国の鉄道路線をすべて乗り尽くすという計画です。土日を使って少しずつ出かけて、帰って来たらその路線を赤いペンで塗るんです。それが楽しくて。あと2年働いたら完全に悠々自適の生活に入る予定ですから、そうしたらまだ赤く塗られていない路線を北から南まで乗り尽くす予定です。

ここまで生きてきて、やっぱり私は自分なりに究極の選択ではあったけど、離婚はしないでよかったんだ、と思えます。夫の浮気についていろんな人に相談したこともありました。そんなに嫌なら、そんなに苦しいなら別れる道もありだよ、と言われて何度も決断しようと思いました。それでも思いとどまってここまできた。今はやっぱり離婚しないでよかったと心から思えるんです。

→罪悪感から熟年離婚の予感
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