『できたら婚』の約束はトラブルのもと!?(2ページ目)

妊娠６カ月、やっと入籍したものの―

無事に赤ちゃんを産むのが先決―

とうとう妊娠６ヶ月。Ａ美さんは彼が帰って来るとこう尋ねました。「ちょっと待って、ってずっと言い続けていまだに入籍しない。このまま入籍しないつもりなの？　私、仕事も辞めたし未入籍で出産・子育てなんて考えられないし、あなたが何を考えて先延ばしにするのかわからない。どうするつもりなの？」

「うるさいなぁ。わかったよ。婚姻届出せ。入籍すればいいんだろ」
Ａ美さんはそんな言い方をするなんてとてもショックでしたが、彼が書いた婚姻届を受け取り、「じゃ、明日提出していいのね？」と確認すると、「あぁ」と言うので、ようやく入籍したのでした。

「婚姻の意思がなかった」などと急に言われて―

翌日帰宅した彼に「婚姻届提出してきたよ！」と伝えると彼は「マジで？出しちゃったのかよ？」と驚いているので、Ａ美さんのほうこそ驚いてしまいました。それから１ヶ月半後、Ａ美さんが妊娠８か月のとき彼は突然「Ａ美とは結婚する気がなかった。それなのに脅迫されて婚姻届を書かされた。Ａ美が婚姻届を提出したとき、俺には婚姻の意思がなかった。だから婚姻無効の手続きを裁判所でするから、協力しろよ」

Ａ美さんはまさか彼が、夫がそんなことを言い出すとは思ってもみなかったのであまりのショックで倒れそうでした。しかしとにかく「婚姻無効」について調べてみました。

■婚姻の無効：婚姻は、次の場合に限り、無効とする。

第一号 人違その他の事由によつて当事者間に婚姻をする意思がないとき。
第二号 当事者が婚姻の届出をしないとき。

法テラスやカウンセリングなど、あちらこちら相談できる場所に出向いて答えを求めました。どこに相談しても「彼の言いなりにはならず、今は無事に赤ちゃんを産むことだけ考えなさい。赤ちゃんの顔を見ても、まだ彼がそんなことを言い張るなら、またそこで対策を考えればいい。とにかくそんな勝手なことは、あなたがガンとして譲らなければ通るはずもないのだから」。