「愛する」ってどういうこと?
離婚・カップルカウンセラーの岡野あつこです! さて、皆さんは今恋人や夫婦の関係で何か悩んでいること、苦しんでいること、不満に思っていることって、ありますか? 些細なこと、軽いものまでを含めれば、ほとんどの方が「YES」かも知れませんネ。
例えば、「俺は家族のために毎日こんなに遅くまで働いているのに、妻からは感謝の言葉の1つもない」、「私はパートナーを愛しているからこそ、○○してあげたのに、パートナーは私には○○もしてくれない。こんなの不公平だわ」など、パートナーに対して、こんな気持ちになることって、ありませんか?
この「愛している」「○○してあげているのに」という思いは、本当に「愛」なのでしょうか? 人間は「愛している」という言葉をよく遣います。それは、いかにも他のためにあるもののように見えますが、実は自分が満足するための思いや行為ではないでしょうか? 「彼を愛しているから○○してあげた」というけれど、○○してあげたい自分を満足させるために○○しただけに過ぎない、のではないでしょうか?
愛だと信じていたその正体は……執着心?
自らの愛情によって相手のためにと信じてする行為は、自分の「こうしたい、こうするべきだ」という欲望=執着心を満たしているだけなのではないでしょうか? もし真実の愛から、パートナーに対して○○をしたのだとしたら、見返りなど求めないはずです。相手の反応がどうであれ、○○をしただけで満ちたりて幸せなはずです。でも、人間なかなかココには気づけないものなのですよね……。あなたは愛と執着心の違いをちゃんとわきまえていますか?
■愛と執着心の違いに気づくためのワーク!
※YESの方は気づきの一言をお読みください!
- パートナーのために働いている
気づきの一言:働くことの意味は1つではない。もし、パートナーがいなかったら働かないの? 働き方は変わるの?
- パートナーのことが心配なので、毎日電話&メールは欠かさない
気づきの一言:パートナーは毎日というのは重いしメンドーとさえ思っているかも知れない。パートナーを案じるというよりも、自分が不安なのでは?
- 休日はパートナーのために他の予定を入れない
気づきの一言:パートナーは束縛されていると感じているかも。自分がパートナーと一緒にいたいのでは?
- パートナーの帰りがどんなに遅くても寝ないで待っている
気づきの一言:パートナーは寝ていてくれた方が気楽かも。自分のポリシーに基づいてそうしているのでは?
- パートナーのために内緒で高価なプレゼントを用意することがある
気づきの一言:パートナーは勝手に高い買い物をされるより、相談の上本当に欲しい物をプレゼントされたいかも。パートナーに喜んでもらいたいというよりは、プレゼントをするという行為で自分自身が満足したいのでは?
苦しみたくないなら、執着心を捨ててしまうこと
「○○したのに、私には何もしてくれない」という不満が出てくる、悩む、苦しむ……というのは、悩み・苦しみ・不満が生まれてしまった時点で、それは「愛」ではなく「執着心」なのです。もし、ここで悩みや苦しみから逃れたいと願うのなら、この「執着心」を捨ててしまうことです。それには、「○○してあげた」ではなく「○○させてもらえて幸せ」「あなた(たち)がいるから一生懸命働かせてもらえるのだ」と考えるのです。これが「愛」なのです。とはいえ、人間は神様ではないのですから、執着心を捨てて100%愛のみで生きろ、と言われても無理な話……。
愛と執着心(欲望)の狭間で悩み苦しむことで人間は成長していくのですから、成長するためには悩みや苦しみも必要なのですね。でも、耐えられないほどの苦しみを抱え悩み続けてしまうのは、辛すぎます。だから、先ほど挙げたように「してあげる」を「させてもらう」というように、考え方を変えてみるのです。
愛とは相手のすべてを許し受け入れること!
例えば、パートナーが他の人を好きになったと言い別離を迫ってきたとしたら、ショックは計り知れないものでしょう。この時、「誰よりも、パートナーを愛している。だから絶対別れない!」というのは、「愛」でしょうか? それとも「執着心」でしょうか?
これは、自分の欲望=執着心のみから出た言葉です。パートナーを本当に愛しているのなら、パートナーが望む通りにすることが愛なのです。「愛」とは、「許すこと」なのです。
自分のこだわりを無くし、相手のどんなこともすべて許し受け入れることなのです。相手には何も求めず、自分が与え続けることだけで満ち足りることなのです。100%「愛」のみで生きる、悟りをひらく、なんて無理ですが、今が20%なら40、50%に、50%なら60、70%に、というように、「執着心」を「愛」に変えていくことを心がけてみるのです。変えることができた分だけ、苦しみも軽くなっています。
まずは、皆さんの現在の悩みや苦しみの原因を探り、「執着心」をできるだけ取り除き「愛」に置き換えてみましょう。悩める皆さんが、少しでも、楽なお気持ちになれますように!
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