出戻り娘は大歓迎!?
B子さんは高校卒業後新潟から上京し専門学校に入学しました。親の仕送りだけでは好きな洋服も買えないので、授業のあとは居酒屋で深夜までアルバイトをしてお小遣い稼ぎ。ところが次第に、学校休んでもバイトは休まないという、学校よりもバイトを生活のメインにおくようになってしまいました。
バイト先にはフリーターが大勢いました。昼夜掛け持ちのバイトをしながら、劇団やバンド活動をしているバイト仲間たちは、田舎から出てきたばかりのB子さんにとって刺激的でとても魅力的に見えたのです。
とうとうB子さんは学校を退学、バイト先で知り合ったカレシと同棲するようになりました。同棲を始めて三ヶ月、体の異変に気づいたB子さんは妊娠検査薬を試すと陽性反応が! カレシとは、ただただ毎日一緒にいるのが幸せ、というだけで、先のことなど一度も考えたことはありませんでした。
カレシはプロを目指す素人ミュージシャン。カレシに「どうしようか? 」と言ったら「結婚すればいいんじゃん? 」。B子さんは結婚などまだまだ遠い先のことと考えていたのに、カレシのその一言で急に「若いママっていうのも素敵かも? なんといっても私たちラブラブだし! 」と、気分で結婚を決めてしまいました。
新潟の実家に報告に行くと、親は「子どもができたんならしょうがないね。困ったらうちに帰ってくればいいし」。
出産後B子さんはすぐに育児の大変さに悲鳴をあげました。夫は相変わらずバンド活動が一番大事で、育児には手を貸してくれない。しかも、昼夜バイトしていたのをバンドの練習を強化するなどと言い出し、バイトを夜だけにしてしまいました。
夫の収入だけでは家賃と光熱費にしかならず、たちまち生活は行き詰まりました。結婚前は、夫の夢を応援していたB子さんでしたが、子どもができると「もっと現実を見てよ。もういい加減夢は諦めて子どものためにちゃんと就職するとか考えてよ! 」と守りに入りました。
喧嘩が絶えなくなりB子さんは親に泣きながら電話をしました。すると父親がトラックを運転してすぐに迎えに来てくれました。そして別居一ヵ月後にはB子さんは親権をとり協議離婚。出戻り娘となったB子さんは優しい両親と幸せに子育てをしているということです。
こんな例を見聞きする度、「いつまでもあると思うな、親と金」と思っていました。でも親の方で出戻り娘を歓迎し喜んでいるくらいのケースなら、イマドキこれもありなのかな? とも。それにしても安易な結婚は安易な離婚に終わるということは言えるのです。
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