離婚/離婚を決意する前に

エスカレートを防ぐために DVを招く、危険な兆候(3ページ目)

どんな場合も、きっかけは「ささいな暴力」。暴力の程度も、回数も、少しずつ本格的になっていく傾向が強いのがDV。「暴力の兆し」に気づいたら・・・。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

「警察を呼ぶ」ことも、かなり効果的

 イライラした夫が物を壊した、大声を出した、などの時点ではっきりと拒絶反応を示せば良いが、すでに暴力に発展してしまって止められない、という場合のあるだろう。そんな時は、どうすればいいのだろうか。

「本格的な暴力でも、警察に相談するなどして第三者に入ってもらうことで、やめさせることは可能です」

もちろん警察署の方針や地域によっては、対応や考え方に違いはあり、必ずしもめざましい効果が上がるとは言い切れないが・・・。

「とにかく、何かあったら警察を呼ぶこと。何故って、パトカーが来て家の前に止まることが、夫へのアピールになるんですよ。受話器を上げて警察を呼ぶフリでもね、夫にはプレッシャーになるんです。たいていの場合、家の外でも暴力的な夫というのはいないんですよ。社会や近所では常識人として生きているわけだから、警察を呼ばれて、会社の同僚や近所に知られたらまずい、という発想はもちろん持っているでしょう」

警察官が、具体的に何らかの方法で解決してくれるというよりも、夫の世間体を気にする心理を逆手に取るというわけだ。

「妻は自分より立場が弱くて、暴力をふるわれても黙って我慢すると思うから、夫も暴力をふることが出来るんです。まず、黙ってはいない、というところを示さなければならないと思います」

暴力をふるう夫とはいえ、子供のこともあるし「離婚」までは考えられない。だから事を荒立てたくないし、近所に家庭の事情を知られるのも困る・・・、と、警察を呼ぶのにも勇気が必要かもしれない。しかし、そこから始まっていく「暴力」の方が、よほど恐ろしく、また心の平穏を奪うものではないだろうか。
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