離婚する勇気があるかどうか
離婚する勇気
最近になってようやく、自分の離婚を堂々と語る女性も増えてきましたし、女たちの体験談などから、離婚についての情報なども得られるようになってはきました。でも、やはり経験したものでないと、ほんとうのところは分からないものでしょう。
たとえば、若い頃ひとり暮らしを経験したことのある女性は、かなりいるはずです。その若い頃のひとり暮らしと、離婚したあとのひとり暮らしとは、ずいぶんと違います。若いときは、自分自身でひとり暮らしを始め、自立したとの満足感と希望で胸ふくらませている事でしょう。若いときのひとり暮らしが春だとすると、離婚したあとのひとり暮らしは秋です。一見似てはいるのですが、周りとの関わり方もまったくといっていいほど違ってきます。春の後には夏が訪れますが、秋の後に待ち受けているのは寒くつらい冬です。人生の秋に差しかかっての寂しさは、春の寂しさとは比較にならないほど厳しく、不安なものです。
その反対に、引き返す勇気というのは、元に戻りたいという願望が、もともとあってのことですから、希望が叶う方向へダッシュするということです。あとは見栄やプライドを捨てて、初心に返って素直になりさえすればいいわけです。
そのことができさえすれば、元に戻れ、元の鞘に納まることができるわけです。そのうえで、なぜそのようなことになったのかという反省をしたならば、まさしく雨降って地固まるといったことになるでしょう。
そもそも、次のようなこともいえます。離婚しかけても、しっかりと自分を見つめ直し、ご主人ともよく話し合って、立派に元に戻れる人というのは、離婚もきっちりとできる人だということです。なぜならば、そのような人は、なぜこういうことになったのかと、その現実をしっかり受け止めることができる人だからです。
離婚して幸せになれる人
離婚して幸せになれるかどうか
次に相手がいて離婚した場合は別にして、色々な事情で離婚した女性の60~70%は、本心の辛い思いに耐えて、泣き言を言わずにがんばっているのです。むしろ泣き言を言える人のほうが、まだ幸せなのではないかしらとさえ思います。彼女たちは、自分たちのことを「離婚して働かなければならない女性である」と思っています。好きで働くのではなく、働かざるをえないから働く状況にいる女性たちです。そこに、社会的にも辛い気持ちがあるのです。
いまの日本の社会状況は、離婚した女性にとって不利なことが多すぎます。好きな仕事を選べない、働く場所がない、老後の不安も大きい、そんななかで子供を養育していかなければならないのですから。それなのに、本でもマスコミでも気楽に「離婚、離婚」などと書き立てます。日本という国は、離婚した場合、女性側にとっても不利な国なんです。現実には、慰謝料も財産分与もほとんどといっていいほど、取れない国なんです。最近は、慰謝料と財産分与については、もらうという意識が徐々にアメリカ並みに近づいていますが、社会そのものの受け入れ体制は、いまだに厳しいというのが現実です。日本という国が、離婚した女性を温かく受け入れるようになるには、もう少し時間がかかるということを、バツイチ女性は覚悟する必要があります。
いずれにしても、自分を見つめなおす時間と親身になって相談にのってくれる親きょうだいや友人、知人が必要となるでしょう。色々なアドバイスを受けてから最終結論を出しても遅くはないと思います。
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