基礎学力を重視した教育改革で「教育の早稲田」へ
基礎学力が低下している最近の学生を根本的に指導しようと早稲田大は、大学1年次から「基礎演習」を導入している。これは驚くような基礎的内容だ。文献の調べ方からレポートや論文の書き方、電子メールの使い方まで細部にいたり指導している。こんなことは以前の学生であれば自分で調べたようなことだ。2年次からの専門に入る前にこのような「基礎演習」が必要になっているのは何も早稲田大だけに限ったことではない。どの大学も指導の現場で学生のレベルをあげるのに苦労しているようだ。また別な視点から見れば以前と違い早稲田大に入学する学生が均一化しており、以前ほど優秀な学生が集りにくいということだろう。今後少子化が進めば更に生徒の能力が低下することも予想され、根本的な教育改革が必要になるわけだ。
手厚い奨学金制度
私立大学の学費は年々スライド式にあがっており、私立文系の場合、現在一般に100万円ほど、理系の場合180万円ほどとなっている。国立大学の学費が多少上がったとはいえ50万円弱であることを考えると、優秀な学生を私立大学に集めるために奨学金制度は重要だ。その点早稲田大、慶応大はかなり充実している。特に早稲田大は返還の義務のない給付奨学金制度が手厚いことで有名だ。早稲田大の給付奨学金一覧(年額)
大隈奨学金 400,000~760,000円173名
小野梓記念奨学金220,000~400,000円 1022名
創立125周年記念奨学金100,000~600,000円1600名
校友会給付一般奨学金300,000~360,000円102名(新入生のみ)
校友会給付一般奨学金 独立研究科360,000円50名
校友会給付緊急奨学金300,000~360,000円10名
外国人留学生給付緊急奨学金300,000~360,000円10名
早稲田カード奨学金300,000~360,000円166名など
2007年度から導入された創立125周年記念奨学金はかなりの数の優秀な学生に給付されている。返還義務のある日本学生支援機構奨学金しか持たない大学も多い中、奨学金制度の充実は素晴らしいものだ。このような制度があれば国公立にわざわざ行かなくても早稲田大に入ろうとする学生も確実に増えてくるだろう。
学生の低下する能力を「教育」により向上させるべくカリキュラムを充実させ、一方優秀な学生を集めるために返還の義務のない奨学金を手厚くさせる。このように今後数十年先まで早稲田大は対策を講じていると言える。慶応大と並び日本の有数の私立大学である早稲田大が未来の日本にどのような人材を輩出してくるのか興味はつきない。
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