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就職率の高さを裏づける教育力「甲南大学」(2ページ目)

兵庫県の名門私立大学のひとつ甲南大学。全大学の中でも、その就職力の強さは目を引く。その強みの根源と、大学の今後の方向性について取材してみた。

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

学習・受験ガイド

少数精鋭による人物教育率先を目指す

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甲南大学は「少数精鋭の人物率先教育」のため、学生定員に対する教員数を増加させる予定という
2008年甲南大学は知能情報学部の開設、2009年にはポートアイランド(兵庫県神戸市)にフロンティアサイエンス学部(仮称)。そして、兵庫県西宮市に甲南大学の創立者平生釟三郎の建学の精神を具現化するために、経済・経営学部にまたがる形の国際性重視リベラルアーツ型学部としてマネジメント創造学部(通称甲南Cube 西宮)を開設する予定だ。

知能情報学部は、理工学部情報システム工学科から人間と機械のインテリジェンス・情報技術の融合を目指す独立した学部として開設される。また、先端生命工学研究所の高水準の研究活動と成果が先導する学部であるフロンティアサイエンス学部(仮称)は、ナノテクノロジーとバイオテクノロジーを統合させた、ナノバイオテクノロジーという斬新な領域での教育・研究を推進していく予定。

この学部フロンティアサイエンス学部(仮称)では、たとえば入学したらすぐに自分の研究・学習のためのデスクやスペースがもらえ(マイラボ)、教員や先輩(大学院学生)からの指導やアドバイスが受けられるなど、定員45名で教員が15名という贅沢な教育を考えているという。甲南大学は18歳人口が激減するなか、いたずらに学生を集めようとせず、「少数精鋭の人物教育率先」という建学の精神に回帰しようとしている。

大学教育もある意味、経済活動の一環ではあるだろうが、新学部を設立して入学者定員をかき集めるのではなく、学生一人一人の指導を十分に行えるような人数を守り、教員を増やすなど中身を重視するような方向転換は本来の大学のあるべき姿を見たような気がした。老舗の味を頑固に守りながら、新しい味を模索する料亭のようである。

特に首都圏に住んでいる読者にとって、甲南大学は知名度があまりないかもしれない。甲南大学は入学者の内約60%が兵庫県、大阪府が約20%という地域密着型の大学である。しかし、今後その中身の濃さを知る人が増えるにつれて、口コミで良さが伝わっていくことは間違いないだろう。また、未来に向けて甲南大学は全国区で知名度を上げていくと、教育内容を見て確信している。



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甲南大学卒業生就職状況
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