原点回帰を目指す甲南大学
兵庫県神戸市東灘区岡本にある甲南大学。こじんまりとした瀟洒な大学だ |
10年前に阪神大震災で大半の建物を失い、そこから立ち上がった甲南大学は、もともと関西財界の指導者達の発案により1919年に甲南学園として設立された。そして、1951年に甲南大学が開学され、今日まで関西の名門私立大学のひとつとして多くの優秀な学生を輩出している。大学の試験中でお忙しい中、副学長の青山義孝文学部教授に時間を割いていただき、いろいろとお話を伺うことができた。
関西財界に抜群の影響力を持つ就職力
大学構内に一歩足を踏み入れると、瀟洒な建物とうっそうと茂る大きな木々。甲南大学は神戸という土地柄とあいまって、おしゃれな大学としても知られてい一方、特に就職率がいいことで知られている。具体的には、2007年3月卒業生の就職率は全体で内定率97.2%という高い数字。2005年まだ景気が不安定な時期に、女子が就職で活躍している10大学の中で全国でトップにランクされている(『Yomiuri Weekly」2005.8.21号より)。この時期のこの数字は就職力の底力を示しているだろう。
また代表取締役が生まれる大学として、全国の有名国公立及び私立大学を含むランキングで20位にランクされているのは驚きだ(『週間ダイヤモンド』2006.9.23号より)。また、金融機関の代表的な10社での2006年3月卒業就職率で入学定員における割合で見た場合、慶応大学が438名で甲南が86名。実数では低いものの、入学定員における割合を見るとかなり高いことがわかる。
1.慶応義塾 7.13%
2.関西学院 5.78%
3.同志社 4.95%
4.明治 4.93%
5.甲南 4.66%
6.関西大 3.94%
7.中央 3.92%
8.早稲田 3.76%
9.立命館 2.97%
10. 駒澤 2.74%
(『PRESIDENT』 2006.10.16号より)
入学定員1800名足らずのこじんまりとした中規模大学であるが、本当に中身が濃い。このような高い就職率はキャリアセンターの地道な活動は言うまでもなく(就職部満足度全国一位 『東洋経済社2005.10.15』より)だけでなく、関西の財界に広く深く浸透している人脈があるからだろう。