お墓・墓石・霊園の選び方/改葬・お墓の引越しの方法

お墓の引越し&改葬手続きノウハウ(2ページ目)

お墓を移転することを「改葬」といいます。「郷里が遠いため、今後お墓を守ってくれる人が途絶えてしまう可能性がある。今のうちにお墓を引っ越しておきたい」という人のために改葬手続きについてお話します。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

住職が改葬を許可してくれない!

改葬の話をすすめるときは、菩提寺の顔をたてることもスムーズに話をまとめるコツ。
改葬の話をすすめるときは、菩提寺の顔を立てることもスムーズに話をまとめるコツ。事前に相談して理解を求めておきます。
改葬先の新しい墓地も決まったところで早速現在の墓地があるお寺へ「改葬したい!」と告げると「先祖の代から長いおつきあいをしているのに、いまさら別の場所へ移動するなんて」といい顔をしない。さらに「檀家をやめるなら、離檀料として○○万円かかります」といわれることも多いようです。

もちろん、改葬するかどうかは個人の自由がみとめられていますから、正当な理由なしに住職が拒否することはできません。しかし菩提寺というのは単にお墓の管理をするだけではなく、法要やお盆・お彼岸の供養など長い年月にわたって祭祀をとりおこなってきたわけですから、住職の勝手な言い分と片付けられない事情もあります。法外な離檀料の請求はどうかと思いますが、お布施1回分、3万~20万円ほどの金額はお世話になったことへの感謝の意として妥当な額とも言われています。

住職とのトラブルを避けるためには、改葬を考えた時点で早めに相談すると良いでしょう。どうしても改葬をしなければならなくなったこちらの事情を説明するとともに今までの御礼を伝えれば、きっと理解を示してくれるはずです。改葬する際は、管理者である住職の署名・捺印入りの埋蔵(埋葬)証明書が必要となりますし、できるだけ穏便に事は運びたいものです。

改宗するケースもあります

新しい墓地が寺院墓地である場合、今までと同じ宗派でないケースもあるでしょう。その場合は改宗しなければなりません。改宗は信教の自由で認められていることなので、寺院側が改宗を理由に改葬や埋葬を制限することはできません。
しかし、寺院墓地を利用する場合は、あらかじめ提示された墓地使用規則に従う必要はあります。お寺内で祭祀を執り行う以上、その宗旨・宗派の宗教儀礼を行うことになりますので、それまで別の宗派で法要等を執り行っていたご先祖の場合でも、すべて改宗先のお寺の支持に従います。

ときには戒名(法名)の問題、墓石に刻む文字の問題、今後の法要等が生じることもありますが、お寺とよく話し合って決めていくようにしましょう。

次ページは改葬にかかる費用についてご説明します。

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