葬儀・葬式/埋葬方法

墓参は大切、遠いから無理…だから「分骨」(2ページ目)

郷里から離れて都会で暮らす人が増えたこともあって、「お墓が遠くて墓参ができない!分骨したい!」という人が増えています。分骨についてのノウハウ、注意事項をご説明します。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

分骨を希望する人はどんな人?

分骨を希望する理由はそれぞれの諸事情によって異なりますが、「きちんと先祖供養をしたい」「お墓参りをする心を大切にしたい」ために、できるだけその環境を整えていきたいと考えている方が多いようです。

例えば、
1.身内の遺骨を兄弟姉妹、家族等、それぞれのお墓に納骨したい
2.遠方のお墓にある遺骨の一部をお参りしやすい近くのお墓に納骨したい
3.遺骨の一部を宗派の本山に納めたい
などの理由が挙げられます。

しかし、中には「分骨は身が引き裂かれてバラバラになってしまうのでダメ!」と思っている方も少なくありません。もちろんコレは迷信。お釈迦様や各宗旨・宗派の師も弟子の希望で分骨されているケースが多いですし、昔の偉人がさまざまな場所にお墓を持っていることを考えれば納得です。

たくさんの人がお参りに訪れる「本山分骨」

開祖や師と同じ場所に分骨することを進めているお寺や宗派もあります。
開祖や師と同じ場所に遺骨を納めることを勧めているお寺や宗派もあります。
「遺骨を分骨して本山に納める」ということは、各宗派の開祖や師と同じ場所に納骨することです。信心深い人、昔からの習慣で行っている人だけでなく、希望があれば誰でも申し込むことができます。遺骨の一部を分骨する場合もありますが、お墓を持たずにすべての遺骨を本山に納めてしまう人もいます。

●本山納骨堂のご案内
延暦寺(天台宗)
金剛峯寺 (高野山 真言宗)  
大谷本廟 (浄土真宗本願寺派)
知恩院 (浄土宗)
久遠寺(日蓮宗)

●本山納骨の際の注意
・納骨方法は合祀(共同墓)のことが多いのであらかじめ確認しておきましょう。
・本山へ納骨する際は、一度納骨したら遺骨の返還、改葬不可の場合がほとんどです。
・原則的には過去の宗旨・宗派を問わない本山が多いです(一部を除く)。
・証明書(火葬許可証・分骨証明書)が不要な場合もあります。
・菩提寺がある場合、菩提寺の住職を通して本山納骨の希望を伝えたほうがベターです。

本山はいつもお経が絶えず、多くの人が参拝する賑やかな場所。故人を供養するには最適な場所です。また、管理料などを求められることもありませんので、次の世代に経済的負担をかけることもありません。合祀や遺骨の返還不可といった制約はありますが、分骨供養したい方にはおすすめです。費用は納骨法要によって、またそれぞれの本山によって異なりますが、お経を含めて5万円くらい~が多いようです(中には最低でも20万円以上というところもありますが)。

次ページでは「分骨に関するQ&A」をお伝えします。
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