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宮沢賢治のふるさと、岩手県花巻へ

宮沢賢治が生涯暮らしたという岩手県花巻は、町全体が賢治一色。賢治の足跡をたどる施設、ゆかりの場所、作品にちなんだ店など、作品を思い出しながら巡ると楽しいものです。賢治の世界観にも触れることができます。

塩田 典子

執筆者:塩田 典子

一人旅ガイド

10月の初旬、岩手県花巻へ行ってきました。花巻といえば、「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」などの多くの童話作品を残した宮沢賢治の故郷。賢治ゆかりの場所が残っているのはもちろんのこと、童話にちなんだスポットも多く、町全体が宮沢賢治一色に彩られています。作品に親しんだ人もそうでない人も、きっと賢治の世界に触れることができるでしょう。

賢治の世界観と作品のモチーフに触れる

銀河ステーション
駅舎の形をした銀河ステーション
宮沢賢治関連のスポットは、JR東北新幹線の新花巻駅とJR東北本線の花巻駅に挟まれたエリアに集中しています。新花巻駅へは、東京駅からJR東北新幹線で約3時間。まずはじめに「宮沢賢治童話村」へ訪れました。

銀河ステーション
内側はホームのような造り
入口部分が銀河ステーションという駅舎風の造りになっていて、内側に目を移すと、まるでホームのようにベンチが置かれていたりと、遊びゴコロが感じられます。

賢治の学校
賢治の学校の手前には木製のチェロが!
駅舎をくぐると、芝生の広場がドーンと目の前に広がり、最奥に不思議な建物が……。

アーチ
アーチをいくつも潜って入口へ

近づいてみるといくつものアーチの足元にたくさんの球体がまるで星座を形作るように配されていて、夢が膨らみます。この建物は「賢治の学校」と呼ばれていて、賢治にちなんだ5つのゾーンから構成されています。

ファンタジックホール
白で統一された幻想的な空間

「ファンタジックホール」は、部屋全体が白で統一された空間。さまざまな形の椅子が置かれているほか、賢治の愛用品だったコートや鞄も空間に溶け込んでいます。中央の画面では賢治の人となりや代表作について映像で解説してくれます。賢治の世界へ誘う序章のような部屋なのです。

大地の部屋
巨大な昆虫や植物に囲まれる大地の部屋

「宇宙の部屋」、「天空の部屋」を抜けて、「大地の部屋」へ。ここは賢治の作品に登場する動物や昆虫、植物などの巨大ジオラマで埋め尽くされています。光の効果も相まって、まるで自分が小人になってしまったかのように感じる不思議な空間でした。子ども達には大人気の部屋だそう。

ジオラマ
山猫軒のジオラマ
「水の部屋」を通り、賢治の世界観が少し分かったところで、童話のジオラマが並ぶスペースへ。「セロ弾きのゴーシュ」と「注文の多い料理店」のジオラマがストーリーに合わせて展開されていました。物語を知らない人にも分かりやすく解説してあって、立体版紙芝居のようで子ども達にも楽しめそうです。

芝生広場に再び出て、次はログハウス造りの「賢治の教室」へ。各部屋で、賢治の童話に登場する植物、動物、星、鳥、石について学ぶことができます。こちらは少し大人向けの展示内容で、賢治童話をより深く詳しく掘り下げた内容なので、じっくり鑑賞すると大変勉強になります。

銀河トレイン
銀河トレインは子ども達に人気です
それから今回は出合えなかったのですが、4~9月の土日を中心に銀河トレインも運行します。次回機会があれば、ぜひ乗ってみたいと思いました。


「宮沢賢治童話村」
・住所:岩手県花巻市高松26-19
・TEL:0198-31-2211
・開館時間:8:30~16:30
・定休日:無休
・料金:大人350円
・交通(電車):JR新花巻駅からイトーヨーカドー行きバスで2分、宮沢賢治記念館下車、徒歩5分

国道を挟んだ向かいには「宮沢賢治記念館」「宮沢賢治イーハトーブ館」もあり、合わせて見学すれば、賢治の足跡を学ぶことができるのでオススメです。この2館を結ぶルートは歩いて10分程度の自然散策路になっていて、ぶらぶら歩きが気持ち良かったです。詳しくは次ページへ。
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