全長20mの巨大首長竜がお出迎え!
年頭のガイド記事
「2007年名古屋のブレイク候補ベスト5」でも紹介した博覧展
「恐竜大陸」がいよいよ開幕。名古屋港開港100周年記念行事の目玉でもある同展は、アジア地域6カ国(中国・モンゴル・タイ・ロシア・韓国・日本)の恐竜たちを集めた、中部地方最大級の恐竜博。全身骨格40体をはじめ、化石標本は200体以上。その他、最新の発見・研究に基づいて作られたリアルなロボット恐竜や、子供向けの遊具・3Dシアターなど、盛りだくさんの内容で、古代マニアからファミリーまで幅広く楽しめる内容となっています。
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オメイサウルスとクンミンゴサウルス(手前)はいずれも中国で発掘された本物の骨格標本 |
会場に入ってまず目に飛び込んでくるのが
巨大な首長竜たち。全長20m、天井に届かんばかりの大きさの
オメイサウルスをはじめ、ビッグサイズの全身骨格標本がズラリと並びます。目玉展示をいきなりドーン!と見せつけてくれるので、一気に引き込まれます。
この他、イグアノドンの仲間で人間の手の平ほどの巨大な牙を持つ
ランジョウサウルス、オウムのような口ばしで愛嬌のあるルックスの小型恐竜
プシッタコサウルス、全身ヨロイに覆われたような
クライトンサウルス(名前の由来は映画『ジュラシックパーク』の原作者マイケル・クライトンに由来)、大きなトサカを持った
サウロロフス、“アジアのティラノサウルス”と呼ばれるモンゴル産巨大肉食竜
タルボサウルス、そして福井県で見つかったその名も
フクイラプトルに
フクイサウルスなど、多彩な種類の骨格標本が並びます。
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プシッタコサウルス |
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ランジョウサウルス |
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タルボサウルス |
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サウロロフス |
世界の恐竜研究をリードするアジア
この迫力満点の展示を見て回る際、あらためて押さえておきたいのがこれらが
すべてアジアで発見されたものだという事実です。
実は今、アジアは世界の恐竜研究にとって非常に重要な地域で、
現在命名されている恐竜化石の実に1/4がアジア地域で見つかったものなのだそうです。しかも、三畳紀後期から白亜紀後期まで年代が非常に長期にわたり、種類も多種多様。中生代のアジアはまさしく“恐竜大陸”だったのです。ここにいる恐竜たちがアジアの大地を歩き回っていたのだ、そう思って見ると、はるか古代の恐竜たちが一気に身近な存在に感じられてきます。
新・定説「鳥の祖先は恐竜」説は中国発
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羽毛恐竜のロボット。羽毛といいくちばしといい、ほとんど鳥 |
また、大型の恐竜と比べるとちょっと地味ですが、鳥そっくりの恐竜たちの化石も、しっかりチェックしておきたい展示です。恐竜に多少でも興味のある人ならご存知だと思いますが、
“鳥の祖先は恐竜だった”説が、近年広く認められるようになっています。そのきっかけとなったのが、1996年に
中国で発見された羽毛恐竜(鳥のような羽毛を持った肉食の恐竜)だったのです。ここでは、鳥と恐竜の進化の過程のミッシングリンク(失われた環)を結ぶ、数々の化石を見ることができるのです。
リアルな造形と動きのロボット恐竜たち
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ロボット恐竜が戦いや捕食、子育てのシーンなどを再現するジュラシックワールド |
後半、
ジュラシックワールドの主役はロボット恐竜。精巧に作られた約20体のロボットが恐竜時代の様々なシーンを再現しています。手足の動き、表情とも実にリアル。小さい子供だと、化石よりもこっちの方を怖がるかもしれません。首長竜・マメンチサウルスの胴体が、入口ゲートとなっているのですが、その前足にちょっとした仕掛けがあるので、こちらもお楽しみに。
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