台湾ラーメンはメイド・イン・名古屋のご当地ラーメン

台湾ラーメン
味仙の台湾ラーメン630円。たっぷりの唐辛子がスープに浮かび見るからに辛そうだが…。
「もう1回食べたい名古屋名物は?」。
転勤などで名古屋を離れた人たちにこう尋ねると、かなりの確率で返ってくる答えがこれ。
「味仙(みせん)の台湾ラーメン!」。

味仙は名古屋市内に7店舗(+中部国際空港内に1店舗)ある台湾料理の専門店。台湾ラーメンはこの店の代名詞とも言うべき名物メニューです。ムチャクチャ辛いんですが、これがなぜかクセになり、全国各地にまでファンの輪を広げています。

この台湾ラーメン。名前に反して実は台湾には存在しません。今から40年ほど前、味仙が独自に開発したメイド・イン・名古屋のオリジナル料理なんです。本国の担仔麺(タンツーメン)をベースに辛くアレンジしたのが始まりで、もともとは従業員用のまかない料理だったとか。これを常連さんに出したところ好評で、メニューに加えることに。そして、80年代の激辛ブームを追い風に、一気にブレイクを果たしました。

味仙今池本店
味仙今池本店。名物店が立ち並ぶ名古屋きってのディープシティ・今池の中でも、とりわけ強烈な存在感を示している。
この人気沸騰をきっかけにして、台湾ラーメンは一気に名古屋中のラーメン店に広まります。今では市内の7割近い店がこれをメニューとして採用しているほど。全国区の超人気ラーメン店の社長をして「台湾ラーメンこそ名古屋ラーメンだ!」と言わしめた、もはや立派なご当地ラーメンというべき存在なのです。

筆者は以前、市内のラーメン店に電話をかけまくって尋ねたことがあるんですが、どのお店も一様に「元祖は味仙さん」と口を揃えました。この手の名物は大体が「いや、本家はウチだ」と言い張るところが出てきてモメたりするものなんですが、こと台湾ラーメンに関しては、「味仙発祥」が揺るぎない歴史的事実として浸透しています。
「商標登録は取っていませんし、取ろうと考えたこともありません。皆さんが台湾ラーメンと名前をつけて広めてくれたから、これほど有名になった。宣伝してもらったとありがたく思っています」と今池本店の川野国広店長も余裕のコメント。さすが、元祖の貫禄です。

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