「大阪三大夏祭り」に行こう!
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愛染祭の宝恵駕籠行列にて。別名「ゆかた祭」とも呼ばれる、あでやかな夏祭りです。 |
「大阪三大夏祭り」というのをご存知でしょうか? 愛染祭、いくたま夏祭り、天神祭、住吉祭のことを指しますが……「三大祭」といいながら4つの祭の名前が上がっていますが、これは「愛染祭、天神祭、住吉祭」を上げる人と、「いくたま夏祭り、天神祭、住吉祭」を上げる人がいるからです……大阪の夏を彩る4つの祭りを、全2回にわけて取り上げます。今回は前編ということで、「愛染祭」と「いくたま夏祭り」をご紹介。それではさっそくガイド記事をどうぞ!
※「大阪三大夏祭りに行こう!(後編)」はこちら!愛嬌たっぷりの浴衣まつり「愛染祭」
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愛染堂です。境内にある多宝塔は大阪市内最古の木造建築物として国の重要文化財に指定されています。 |
愛染祭というのは、大阪市天王寺区にある愛染堂勝鬘院の夏祭りです。6月30日から7月2日にかけて行われますが、時節柄、多くの女性が浴衣を着て、おでかけするので「浴衣まつり」「女の祭り」などとも言われています。
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宝恵駕籠にのって愛染娘さんが「愛染さんじゃ」とかけ声。大阪の夏を告げる名物詩です。 |
愛染堂というのは、日本仏法最初の官寺(国営のお寺)である四天王寺の施薬院が発祥。四天王寺は593年に聖徳太子によって建立されたものですが、同じく聖徳太子が建立したユネスコ世界遺産の法隆寺(607年)よりも古い起源を持っていて、大阪はおろか日本有数の古刹です。御本尊は愛染明王で、「愛染さん」の愛称で親しまれています。
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駕籠を下ろして途中で小休止。駕籠は止まっても、愛嬌たっぷりのかけ声は止まりません。 |
愛染さんは、「愛に染める」という名称から恋愛の神さまとして知られていて、江戸時代には色町の芸妓さんたちが、よく駕籠に乗って参詣したとか。それを模して祭のはじめ(6月30日)に行われるのが、愛染娘さん(愛染祭に御奉仕する娘さんたち。公募で決められます)を駕籠に乗せてパレードする宝恵駕籠(ほえかご)行列。
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「かご上げ」で、若衆に勢いよく担ぎ上げられる宝恵駕籠と愛染娘さん。愛染祭のハイライトです。 |
愛染娘さんと若衆が「愛染さんじゃ、べっぴんさんじゃ、商売繁盛!」と掛け声を上げながらJR天王寺駅前から愛染堂まで練り歩いて、境内に入ると、そこで愛染娘さん一人一人をかご上げします。
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宝恵駕籠行列が終わると駕籠は境内に安置されます。記念写真を撮る方も。 |
勢いよくかご上げされる愛染娘さんの光景は、よくニュースや新聞なんかでも掲載されて、まさに愛染祭最大のハイライト。また7月1日には舞台上で、愛染娘さんの隠し芸なども披露されます。愛嬌たっぷりで、こちらもなかなか見物ですのでお見逃しなく。
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浴衣で参詣する女性が大勢いて、じつに華やかで涼感を誘います。今年の新着の浴衣でおでかけしてください。 |
また浴衣でおでかけすると、愛染娘から愛のブレスレット(整理券配布。先着順)を腕に巻いてくれたりもします。愛嬌が増して恋愛成就に結びつくそうですので、ぜひとも浴衣姿でおでかけください。
ちなみに世間一般的には、夏祭り(夏越しの大祓い)というと神社で行われることが多いのですが、愛染堂は仏教寺院です。大阪はもちろん、他府県でもなかなか見られない、非常に珍しい夏祭りだったりします。これは「神仏習合」(神も仏も同じように尊い)の名残りで、四天王寺・施薬院(愛染堂)を建立した聖徳太子の「和を以って尊しと為せ」という素晴らしい教えに通じているのですが、そういう歴史的、文化的背景も鑑みながら、お楽しみください。
<DATA>
■愛染堂(勝鬘院) 愛染まつり
○日時:6月30日~7月2日
○住所:大阪市天王寺区夕陽ヶ丘町5-36
○アクセス:大阪市営地下鉄「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」から徒歩約2分
○地図:
Yahoo!地図情報○HP:
愛染堂(勝鬘院)※ガイド記事は過去のデータを参考に作成してあります。2008年度のイベント内容につきましては、諸事情等で変更になる場合がありますので、予めご了承ください。