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嗚呼!天保山!~日本一低い山登頂記~(2ページ目)

日本で一番高い山・富士山は有名ですが日本で一番低い山・天保山はあまり知られていません。また現地では天保山山岳会なる謎の集団も結成されているとか。知られざる大阪観光名所をご紹介します!

執筆者:陸奥 賢

日本一の山・天保山を制覇!

天保山公園入り口です。桜が満開で、のどかな春の休日といった風情でした。
2008年4月5日。うららかな春の日にガイドは日本一の山・天保山を目指して出発しました。まずは天保山の場所を地図で確認。すると大阪市港区築港3丁目の天保山公園の中にあることに気づきます。最寄駅は市営地下鉄中央線「大阪港駅」で、直線距離では約800メートルほど。徒歩にして約10分弱といったところでしょうか。

公園内にある「明治天皇観艦之所」の碑文。明治天皇が登って帝国海軍を観閲した天保山。いまはUSJが見えます…。
大阪港駅から歩いていくと眼前に天保山名物の大観覧車が見えて、家族連れや若いカップルたちが次々と海遊館方面に向かっていきます。それらを横目にしながらも進路を天保山公園方面へ。

天保山公園に着くと、ちょうど桜が満開の時期。海遊館ほどではないにしろ、大勢の人で賑わっています。観光客のレジャースポットというよりも地域住民のレクリエーションの場といった感じでしょうか。

「本朝名所 大坂天保山」とあります。初代・歌川(安藤)広重の画です。
たしかにこの絵を見ると大きな山があるのですが…。
とりあえず公園内に入ろうとすると、ふと気づいたのがこちらの壁画。説明を読むと、江戸時代の天保山とか。この壁画には確かに山の絵が描かれていますが、しかし公園内を見渡してもどこにもそれらしき山は見当たりません…。

「明治天皇観艦之所」の脇にひっそりとある「天保山山頂の看板」。地面にある四角い石が天保山の「二等三角点」です。
どこに山があるのだろうか?と地図を片手に山頂の方に歩いていくと、唐突に現れたのが巨大な塔のモニュメント。一体なんだろうと思って近づいてみると「明治天皇観艦之所」。なんでこんなところに明治天皇の碑文が?と説明版を探そうとあたりを見回していると、なんとその足元にひっそりと「天保山山頂」の看板が!

ひとまず登頂証明に記念撮影。はるか彼方にうっすらと見えるのがUSJです。
いつのまにか山頂に到達していたことに気づいて愕然としましたが、何はともあれガイドは無事に日本一の山・天保山に到達。山らしい山はどこにもなくて、釈然としないものを感じつつも山頂(?)から辺りを見回すと、これがなかなか悪くない景色です。

天保山からの眺めです。安治川に浮かんでいるのは大阪市の渡船。無料で対岸の桜島(USJ)までいけます。
目の前に安治川が見えて、渡船やボートが悠然と目の前を行き交います。対岸にはあのUSJ周辺のホテル群が遠くに見えて、振り返ると桜並木の向こうに天保山大観覧車が。おそらく夜間なら美しい夜景スポットになることでしょう。潮風(山風?)もすこぶる快適で、ボーッと景色を眺めているには最高です。

ひっきりなしに登山者がやってきて記念撮影していきます。
しかしガイドがなにより驚いたのが、意外と天保山山頂に登りにくる観光客が多いということでした。カップルや大きなリュックサックを担いだ老夫婦が「やっとみつけた!」「こんなところにあった!」なんてことを言いながら天保山山頂にやってきては笑顔で記念撮影をして帰っていきます。山登りが趣味という方でしょうか…。

天保山登頂で黄色い旗を掲げる謎の男性…。しかしその旗をよく見ると「天保山山岳会」という文字が!
さて、目指すべき天保山をあっさりと制覇して海を眺めながら感慨に耽っていると、なにやら黄色い旗印を持った男性に連れられて、天保山山頂で賑やかに記念写真を撮影している集団が現れました。旗印をよく見ると「天保山山岳会」の文字……じつはその旗印の持ち主こそ「天保山山岳会」会長の橋本誠さんでした。

次ページでは、謎の天保山山岳会の全貌に迫ります!
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