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爽やかな春にディープ大阪・新世界を往く!

新春です。どこにおでかけしても楽しい行楽シーズンですが、だからでこそオススメしたいのがディープ大阪スポット「新世界」。爽やかな春風の中でコテコテの大阪下町を散策する……そんな通好みな週末はいかが?

執筆者:陸奥 賢

爽やかな春だからでこそ
コテコテの大阪下町「新世界」の散策はいかが?

春の夜空に浮かぶ奇妙な物体…。
「あれはなんだ?鳥か?飛行機か?未確認飛行物体か?」「なに言うてまんねん。新世界でんがな」……というわけで、唐突ですが今回のガイド記事はコテコテのディープ大阪スポット「新世界」をご紹介しましょう。

夜の新世界。こないして見るとなんや遊園地みたいでっしゃろ?実際に遊園地なみに楽しいとこでっせ。
2007年が明けて気がつけば既に暦は3月。花見、ライトアップ、果物狩りと、どこにおでかけしても大いに楽しめる春のイベントシーズンの到来ですが、だからといってストレートに花見、ライトアップ、果物狩りの取材というのも少々、面白みがない。そこで変化球といいますか、ちょっと趣向を変えたのが今回の「新世界」ガイド記事。

昼の新世界。最近はよーさんカップルや子供連れの人が来てはるんですわ。コテコテの大阪下町風情がナウなヤングにバカウケちゅうわけですな。
冬に紹介するには寒すぎる。夏に紹介するには暑苦しすぎる。爽やかな春だからでこそ、下町風情が色濃く残る新世界へのおでかけをオススメしたい。それではさっそく出発しましょう。アジアンでスペイシーでノスタルジックな新世界へ!

日本広しといえども
福の神・ビリケンさまがいらっしゃる塔は「通天閣」だけ!

「天に通じる楼閣」いう意味を込めて「通天閣」いいますんや。たかだか100メートルのちっこい塔やけどこのネーミングは世界一ちゃいまっか。
大阪ミナミの中心地の大阪市営地下鉄「なんば駅」から約5分の「恵美須町駅」を降りると、すぐそこは新世界界隈。空を見上げると新世界の象徴、大阪のシンボルともいうべき通天閣(1956年建設。高さ103メートル)が見えます。

これが通天閣の入口。週末は大人気でご覧の通りの行列までできてます。
この通天閣の設計者は内藤多沖という建築家で、実は名古屋テレビ塔(1954年建設。高さ180メートル)も東京タワー(1958年建設。高さ332.6メートル。自立式鉄塔としては2007年現在も世界一)も内藤多仲が設計したものです。つまり3つのタワーは兄弟タワーというわけです。

通天閣の地上91メートルの展望台からの眺め。手前に見えるんが天王寺公園や一心寺さんで奥にうっすら浮かび上がってるんは生駒山脈。北側方面には大阪市内が一望できて、もちろん太閤はんの大阪城なんかも見えます。なかなかええ景色でっせ!
ちなみに余り知られていませんが東京タワーの構想を打ち立てたのは新世界(浪速区)に隣接する西成区出身の実業家で新聞王と呼ばれた前田久吉で、そういう意味では東京タワーも大阪人が建てたようなものです。通天閣に対する大阪人の愛着は並々ならぬものがありますが、元来、大阪人はタワーとか高いところが好きなのかも知れません。

幸福の神様・ビリケンさまです。子供みたいな顔してはりますけど意外とメタボリックなビール腹。足をちょこんとそろえてはるのも可愛らしいですなぁ。
そんな大阪人が愛してやまない通天閣の最大の特色といえば、やはり5階展望台に安置されている幸福の神様・ビリケンさまの存在。ビリケンさまは1908年にアメリカの女流芸術家フローレンス・プリッツが夢の中で登場した神様をモデルにして制作したもので、特徴的なトンガリ頭に釣り目は当時のウィリアム・ハワード・タフト大統領(愛称ビリー)に似ていた事からビリケン(小さいビリーといった意味)と呼ばれるようになりました。

ビリケンさまはえらい人気で、ひっきりなしに観客が足の裏を触っていきます。
では「どうしてアメリカ人女性が制作したビリケンさまが通天閣にいるのか?」というと、1912年に新世界に出来た遊園地「ルナパーク」に当時世界的に流行していたビリケン像を置いたことがキッカケです。その愛くるしい姿形から、たちまち「新世界名物」となりましたが、残念なことにルナパークの閉鎖と共に初代ビリケン像は行方不明。これは1979年に復活させたもので、つまり現在のビリケンさまも通天閣と同じく2代目というわけです。

もちろん通天閣内部の売店にはビリケンさんグッズもよーさん売ってあります。新世界、通天閣土産に是非こうてやってください。みんなの人気もんになれまっせ。
とくに足の裏をくすぐりながらお祈りすると願い事が適うとされて、そのおかげでビリケンさまの足の裏は見事に磨り減って凹んでいます。大阪人の現世利益への飽くなき情熱を感じますが、かくいうガイドももちろん足の裏をくすぐってお願いごとをしました。

いずれにしても日本広しといえども福の神・ビリケンさまが安置されているタワーは通天閣だけ。通天閣はある意味で「新世界の聖地」といえるでしょう。大阪人、関西人はもとより関東の人にも是非とも巡礼していただきたい新世界スポットです。

さて、ひとまず通天閣に登ってビリケンさまにお参りしたあとは新世界界隈の面白スポットを巡っていきましょう。次ページでご紹介します。

1p 「通天閣」を楽しむ
2p 「新世界稲荷神社」「スマートボール」を楽しむ
3p 「大衆演劇」「ジャンジャン横丁」を楽しむ
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