精子異常のさまざまな要因:太りすぎにも注意
ガイド 二松:「自分の精子が正常でない!」とわかった男性の気持ちはED同様、かなり衝撃的だと思います。妻はどういう態度で接すのがよいでしょう。
辻先生:
精子に異常があり、子供ができないのは自分のせいだと分かったら、男性としてはかなりショックです。
「これがオーキッドメーター。診察の際に,このボールみたいなものと比較することによって精巣の大きさをはかります.小さくて柔らかい精巣は精子や男性ホルモンを作る働きが弱いことが多いのです」 |
ガイド 二松:
「肥満は男性の妊娠させる力を低下させる」という論文を読みましたが、詳しく教えてください。
辻先生:
肥満を表す指標であるBMI(ボディ・マス・インデックス)で比較すると、肥満グループに精子に異常(精子の数が少ない、精子の動きが悪い)のある人が多いというものです。逆にやせすぎも精液所見が不良という結果もでています。肥満がEDに悪い影響をおよぼすというのはEDの専門家の二松さんはよくご存知と思いますが、子作りにも良くないですね。
そして、最後に、「妊娠しやすい精子」についてお尋ねしました。俗に言う「いきのいい精子」と「貯め込んだ精子」の真実はいかに?辻先生は、かく力説されています。
辻先生:
昔から言われている「妊娠するには,精液を我慢して貯めに貯めて、排卵日にドーンと出すのがいい」っていうのはウソっぱちです。妊娠には精子の数より動きのほうが大事です。禁欲日数が長くなると、貯まっていた古くて動きの悪い精子が出てくることになるので妊娠しにくくなります。
「受付も男性スタッフなのでちょっと安心。」 |
なんでも使わないと駄目になるでしょ。普段からどんどん精液を出して(少なくても週1回)、精巣に新鮮で動きの良い精子を作らせ、排卵日の前後には1-2日の間隔で性交渉を持つのが妊娠の確率をアップさせる方法です。
排卵日というのは予測しか出来ないので、いくら濃いのがいっても、卵子と精子がすれ違いになれば確率は0です。排卵日の前後に密に性交渉を持つと、つねに精子が卵子を待ち構えている状況になり、妊娠の確率が上がります。昔のやり方はホームラン狙い。今の考え方はヒット狙いのアベレージヒッターですかね。
なるほど、妻にもわかりやすい『精子論』。私は何度も頷きました。天神つじクリニックは福岡市で患者さんが殺到、そして東京恵比寿に新しく、恵比寿つじクリニックを開院されました。時代は男性不妊の領域に視線を向け始めたということですね。不妊治療とは関係なく、「俺の精子は元気かどうか調べて欲しい!」「最近、更年期っぽいけれど、男性ホルモンを調べて欲しい」という男性方に、男の味方、つじクリニックの門を叩いていただきたいものです。
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