実は「できちゃった婚」がこんなに!
こんな「できちゃった婚」は芸能人だけの傾向でなく、一般にも増えています。昨年発表された平成17年度の国民生活白書のなかにも、「できちゃった婚」に関する国が行った調査が報告されています。それによると、「できちゃった婚」で生まれた子どもが嫡出第一子に占める割合の推移を見ると、1980年の12.6%から2000年には26.3%と、20年間でほぼ2倍となっており、特に、15~19歳では嫡出第一子のうちの8割以上、20~24歳では約6割が「できちゃった婚」により生まれているのだとか。
「30代以上の女性にとって、妊娠は結婚のきっかけのひとつ?」 |
2000年で既に26.3%もあったという数値も驚きですが、2007年の現在ではこの数字はもっと増えているのではないでしょうか。我が国の出生率を上げているのはでき婚カップルなのでしょうか。
「できちゃった婚」に対する厳しい目は変わらず
では「できちゃった婚」は、既に社会的に認知され、周囲の理解を得られているものなのか。2004年1月に小学館の女性誌の統合サイト「FAnet」が行った調査では「できちゃった婚に反対」という意見は未婚の10代~20代で38%、未婚の30代~40代で34%、既婚者の35%でした。これに対し、今年の5月にヤフーが行った調査では「できちゃった婚」に世の中の理解は「あまりない」および「まったくない」と答えた合計は36%でした。調査対象や設問方法が違うので、2つのデータを単純に比べることはできませんが、「できちゃった婚」に対して、あまりポジティブなイメージをもっていない層は、現在でもかなりいることは間違いないようです。興味深いのは前述のFAnetの調査の「できちゃった婚」に対して「大賛成」または「それで幸せなら賛成」という積極的な支持層が未婚10~20代で合計20%なのに対し、未婚30~40代では30%と大きく増えること。仕事や収入などが不安定で、生活設計を描きにくい若年層と違い、仕事や収入が安定し、突然の結婚・出産にもきちんと生活設計を描ける可能性が高い30代以上の女性。妊娠・出産のデッドラインが視界に入ってくるこの世代にとっては、「できちゃった婚」は「結婚のきっかけのひとつ」としてポジティブに捕らえる見方があるようです。
また、この30代以上の女性にとっては前述の「周囲を納得させる技」というほかに、「長すぎる春から結婚へステップアップする機会」「煮え切らない相手を思いきらせる手段」という意味もあるのかもしれません。
ただし、「できちゃった婚」を結婚の手段として軽々しく扱うのは危険。結婚も育児も始めるよりも続けるほうがずっと難しいものです。特に「できちゃった婚」の場合、結婚による環境の変化と、出産して母になることによるライフスタイルの変化が同時にやってくることになります。妊娠・出産となれば、お酒も夜遊びはもちろん、自由な外出もしばらくお預け。結婚となれば、自分ひとりの気楽ままな生活とは違い、いちいちパートナーに相談したり、時には妥協せざるを得ないようなことも……。よほどの覚悟と周囲の協力をきちんと得ておかないと、「できちゃった婚→結局は離婚」とこれまた芸能人によくあるパターンになりかねません。
→次ページでは「できちゃった婚」を離婚で終わらせないための秘訣を伝授します