ベストセラーシニア恋愛小説、この愛はありえるか?
「年を取ってもずっと愛してるって言い続ける夫婦はいない」という言葉をよく耳にしますが、そんなふうに決めつけてはいけません。そうでないシニア夫婦も存在しています。40年先の自分が夫にドキドキするような愛を感じ続けられるのかどうか、今はまだ想像できませんが、「きみに読む物語」を読んで、「相手を思いやる気持ちを常に持ち続ければ・・ありえる」と実感しました。
まるで詩の世界のような小説。二人で小舟に乗るシーンは圧巻です。photo by O&Cギャラリー |
ニコラス・スパークスが自分の祖父母の物語をヒントに事実を書き上げた純愛小説です。人を思うことの素晴らしさ、尊さを切々と綴った全米450万部突破の大ベストセラー小説、アメリカの人が泣いたと言うことは、「マディソン郡の橋」に似たストーリーと予想しました。読後感の胸キュン度はやはり同じでした。
日本で販売された時は「シニアの純愛小説」とうたわれたので、夫婦仲円満を永遠のものにするためにヒントがあるのではと、じっくり読み進めました。
「わたしは恋をしているバカな老人」と将来言ってみたい
主人公ノアとアリーは10代の頃に出会い、立場の違う恋・戦争というマイナスの条件を抱えながらも、惹かれあいます。
ノアも年をとり、脳出血を起こします。身体の自由がきかなくなっても、アリーのために愛する日々の想い出を語り続ける・・ノアの言葉「わたしは恋をしているバカな老人」という文脈が羨ましくもあり、こんな老夫婦になるためには、どんな努力がいるのかとあらためて考えさせられました。