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昭和を感じる鉄道駅舎ベスト5(3ページ目)

全国各地に今も残る昭和の栄光を感じさせる名駅舎。独断と偏見で選んだベスト5を披露しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

3 川湯温泉駅

川湯温泉駅は観光地の駅らしく華やいだ雰囲気の建物だ。
(北海道・釧網本線、昭和11年<1936>建造、駅開業は昭和5年)

モダンといえば、これほど垢抜けた駅舎もない。いかにもリゾート地の玄関口にふさわしく、降り立っただけで、心もうきうきしてくる。きっと、大勢の観光客が汽車に乗ってやってきたのだろう。駅舎内で時間を潰していると、そんな過去の賑わいを静かに見守ってきた建物が、過去のものとなった昭和のあの時この時を思い出させてくれるようだ。壁に掛かった郷土の英雄・横綱大鵬の写真も、過ぎ去った昭和の栄光だった。今では、無人駅となり、駅事務室だったところはレストランになっているし、古いトイレは足湯に改装されている。駅員の代わりに列車を出迎えてくれるのがクマの像であるのが、いかにも北海道らしい。

2 両国駅

両国駅はかつてターミナル駅だった。
(東京都・総武本線、昭和4年<1929>建造、駅開業明治37年<1904>)

今では単なる通勤電車・総武線各駅停車の駅に過ぎないが、かつてこの駅は、房総方面へ向かう列車のターミナル駅だった。総武線のホームに立つと、国技館や江戸東京博物館の手前に使われないで放置された行き止まりのホームが見えるが、これこそが終着駅・両国の残照である。

両国駅の列車ホームに到着するイヴェント列車。
昭和47年<1972>の総武快速線東京地下駅開業とともに、両国はターミナル駅の座から一夜にして滑り落ちてしまった。隅田川を地下トンネルでくぐる線路の構造ゆえに、快速線の駅はお隣錦糸町に造られ、特急停車駅の地位すら失ってしまった。栄枯盛衰を身をもって感じているのが、この風格ある駅舎であろう両国駅の列車ホームに到着するイヴェント列車。

上野駅に似たコンクリートの建物は、往時の流行であろうか。正面にアーチ状の窓が並ぶ構成など威厳がある構えだが、今ではすっかり持て余している。時たまイベント列車の発着に旧ホームが使われるが、その時だけは、昭和の栄光が戻ってくるようだ。
次のページでは、いよいよベスト1の発表となる。
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