鉄道/駅、鉄道グッズ

えっ、これも駅?日本全国ヘンな駅カタログ

日本の駅、その数なんと約9,800駅。これだけの数ですから、見慣れた駅とはかけ離れた駅もたくさんあるんです。あなたの知らないちょっと変わった駅を見に行ってみましょう。

執筆者:高橋 良算


予約のない方は降りられません
竜飛海底駅(たっぴかいてい・JR津軽海峡線)

竜飛海底駅
竜飛は本州にあるがJR北海道が管理する
JR津軽海峡線はその名の通り、津軽海峡の下を通って本州と北海道を結ぶ路線で、青函トンネルの開通とともに1988年に開業しました。青函トンネルの中には2つの駅があるのですが、その本州側がこの竜飛海底駅。津軽半島最北端の竜飛岬直下に位置します。海面下135.0mという深さは、日本で2番目(北海道側の「吉岡海底」駅が日本一)。

世界的にも珍しい海底駅ですが、工事中は「定点」と呼ばれるトンネル工事の拠点でした。そもそも観光のために設置されたわけではなく、緊急時の避難施設というのがこの駅の現在の役割。普通の駅のように乗降できるわけではなく、あらかじめ見学コースの予約をし、指定された列車に乗らなければ下車することはできません。見学列車が海底駅に停車すると、指定の号車のドア1ヶ所だけが手動で開閉されて乗降します。

竜飛海底駅
緊急時に備えて長いベンチやトイレが設置される
列車を降りると、そこは不思議な世界。線路が敷かれて列車が走る「本坑」の他にも「作業坑」「先進導坑」「斜坑」など、何本ものトンネルが掘られ、それらをつなぐ横穴もたくさんあり、まるで迷路のよう。気温と湿度が常に一定に保たれているというトンネル内には、しみ出した海水の流れる音が小川のように響きます。

見学コースでは、斜坑に設置されたケーブルカーで地上へ出、青函トンネル記念館や竜飛岬を見学してからまた地下へ戻り、海底駅から列車に乗るというもの。なお、北海道新幹線工事にともない、いずれ見学コースは廃止される可能性もあるとか(吉岡海底駅の見学は2006年8月で休止されています)。

世紀の大事業と言われた青函トンネル。一度降りてみる価値はあるでしょう。体験したい方はお早めに。

※見学コースは通年ではなく、見学できる期間が決められていますのでご注意ください(2006年は11月10日まで)。

■所在地:青森県東津軽郡外ヶ浜町
■地 図:Yahoo!地図情報

日本一、足腰が鍛えられる駅
土合駅(どあい・JR上越線)

土合駅下りホーム
長い階段を見上げても頂上は見えない
竜飛海底駅は「地下」深い青函トンネル内の駅でしたが、JR上越線・新清水トンネル内の土合駅下りホームは、「地上」最も深いところにある「日本一のモグラ駅」。そのため、地上の駅舎との間には486段の階段が存在します。486段と言われてもすぐにはピンと来ませんが、標高差は70.7mあり、なんと15~20階建てのビルに相当するのです。

そんなすさまじい高低差にもかかわらず、地上とホームとを行き来するにはその階段を利用する以外にありません。このため、時刻表の欄外には「土合駅は改札から下りホームまで約10分かかります」という注意書きが。ただしこれは階段を下る場合ですから、上るのはもっとかかります。

階段横にはエスカレーターを設置するためと思われるスペースがあるのですが、普段は乗降客も少ない無人駅ですから、もはや実際に設置されることはないでしょう。5段ごとに踊り場が設けられ、階段には段数がふってあります。ほぼ中間地点の265段目にはベンチが……

谷川岳登山の入口駅として夏は登山客が訪れますが、山を登る前にまずこの階段を登らなければならないわけですね。

■所在地:群馬県利根郡みなかみ町
■地 図:Yahoo!地図情報

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