愛人に財産を譲るという遺言
愛人に夫の全財産を持っていかれたら残された家族は悲劇ですね。 |
ところが、今年に入り、主人は末期のガンに侵されていたことがわかりました。私は別居したとはいえ、長年連れ添った主人をあわれに思い、入院中の主人を毎日のように看病しました。しかし、必死の看病の甲斐もなく、主人は亡くなってしまいました。
主人が亡くなった後、主人の愛人であったという女性が、主人が残したという公正証書遺言を持ってきました。遺言の内容は、すべての遺産を愛人であるこの女性に譲り渡すというものでした。その遺言を見たときは非常にショックを受けました。わたしや子どもたちは、主人の遺産を相続することはできないのでしょうか?
相続については民法に規定がある!
民法では、人が亡くなったときに、財産を誰にどのように分配すれば良いかについて、規定しています。もし、ご主人の遺言がなければ、民法の規定にしたがって、遺産を分配することになります。具体的には、妻に2分の1、3人の子どもに6分の1ずつ、分配されます。分け方については、相続人たちで協議して決定することになります。しかし、遺言がある場合には、原則として遺言に記載されたとおりに相続することになります。つまり、ご相談の件では、ご主人の遺産は全て愛人のものとなるのが原則であり、あなたはこのままではご主人の遺産を相続できません。
次のページでは、どうすれば遺産を相続できるのか、その方法について解説します。