前回は「公正証書遺言」について紹介しました。しかし、公正証書遺言は、手数料がかかるし、公証役場に行くのはめんどくさい、とにかくカンタンに手早く遺言書をつくりたい!という方もいるでしょう。

そういった方には「自筆証書遺言」(じひつしょうしょいごん)というタイプの遺言書がおすすめ!文字どおり自分の手で書いてつくる遺言書です。遺言書のすべての文章、日付、氏名を自分で書き、最後に印鑑を押してつくります。

自筆証書遺言のつくり方

NGポイントに注意
気をつけないと無効になってしまうポイントがいくつか…。十分に注意して書きましょう。
自筆証書遺言は、遺言を書く人が自分の手で、遺言のすべての内容、日付、氏名を書いて、最後に印鑑を押すだけで完成します。自筆証書遺言は、自分の手ですべての文章を書くことが法的なルールなので、パソコンやワープロなどで書いた場合には無効になってしまいます。もちろんビデオやテープに録画や録音した場合でも無効です。

一番忘れやすいのは日付なので注意しましょう!遺言書はあとから何回でも書きなおせますが、日付がないと2つ遺言書があった場合にどっちが新しい遺言書か分からなくなってしまうからです。印鑑はお役所に届け出ている実印でなくても問題なく、三文判などの認印でも大丈夫です。

それと、書き上げた遺言書は封筒に入れて封をすることが多いですが、封を入れていなくてもそれが理由で無効になることはないです。

自筆証書遺言のメリットとデメリット

自筆証書遺言のメリットは次の点にあります。
■自分の手で書くだけなので、時間もかからずつくるのがカンタン
■他のタイプの遺言書と違って、費用が一切かからない

しかし、その一方で、早くてカンタンな代償としてデメリットもあります。
■失くしたり、隠されたり、偽造されたりする危険がある
■書き方のルールや内容が不完全だと、無効になったり、意図したとおりの遺言の効力が生じない危険がある
■遺言書の存在に誰も気づかない危険がある

ですので、自筆証書遺言は、多少のリスクがあっても、何もないよりはとりあえず作っておきたい、とにかく早く安くカンタンに作りたい、という方に向いているといえるでしょう。遺言書はあとからいつでも書き直せるので、初心者の最初の1通として作ってみるのもよいでしょう。


次のページは、つくったあとの遺言書はどうやって保管するか、ご説明します。