漆器のお盆と柳の祝い箸に日本を感じます。 |
お正月の迎え方も時代とともに変ってきました。最近では、正月三が日のうち、元旦だけはお屠蘇を飲み、雑煮とおせち料理をいただき、あとは和洋折衷、西洋料理、中国料理を楽しむという方も増えました。デパートのおせち売り場では、エスニック料理のお重までみかけます。でもせっかくのお正月には忙しすぎる現代をしばし忘れ、日本の伝統の素晴らしさに気づかされるフォーマルなテーブルコーディネートから始めてみてはいかがでしょうか。
フォーマルなコーディネートは真っ白なクロスから
クロスに白を使えばフォーマルなイメージづくりができます。ダマスク織りと呼ばれる花などの地模様のある白いクロスを使えばよりフォーマルになります。年に一度のお正月だからこそ、今年は少しフォーマルに決めてみましょう。また、白いクロスがない場合は、柄のないシンプルな無地のクロスがおすすめ。たとえば、白に近い淡い色のピンクやクリーム、グリーンのクロス。また、赤や、黒、グレー、ベージュなどの無地のクロスも漆器の色味を映えさせるのでおすすめです。元旦に使う為には、暮れのうちにアイロンでしっかりクロスのしわを伸ばしておきましょう。
漆器を使って上等な和の雰囲気作り
屠蘇器 |
折敷は、もともと、茶懐石に使われていたものですが、折敷を使うと普段の食卓がおもてなしの食卓にかわります。一年中テーブルマット(ランチョンマット)のように使え、和食だけではなく、洋食、中国、エスニック料理にもあいます。形も正方形、長方形、丸、楕円、半月、扇面、梅形など豊富で、中でも正方形、長方形、半月の形が食器が並べやすく、使いやすい形です。リバーシブルで両面使えるものもあります。材質も漆器だけではなく、安価なプラスチックの折敷も作られていて、いろいろな色のものがあり、コーディネートの幅を広げています。
おめでたい雰囲気作りには、華やかな小物をプラス
鶴と亀の水引工芸でめでたい華やかな席のイメージが演出されます。 |
黒色に塗られた漆の折敷に赤い朱塗りの皿を置きます。紅白の祝い箸のはし袋には金色で「寿」と書かれています。お正月の食卓の花は、松と椿の枝と、赤い実のついた千両を使ってアレンジします。松はいつも緑で永遠を、椿は聖なる神聖な木。おめでたい赤い色の実が枝に沢山つく千両はめでたさの象徴です。金と紅白の鶴亀の形の水引工芸を足せば、さらに華やかさが増します。
次ページでは、お正月の食卓を華やかにコーディネートするためのクロスや食器、お花をコーディネートレシピでご紹介しましょう。また、お正月の食卓の器や飾りのいわれについても紹介いたします。