クレジットカードの請求書
ぼったくり被害に遭ったT橋さんは、悔しい出来事を忘れようと仕事に励んでいました。部下のY田さんもがんばって仕事をしています。クレジットカードの引き落としは、銀行の預金通帳で見て知ったのですが、考えてみると、郵送される請求書を開けて見ることは今までほとんどしていませんでした。だいたい頭の中で見積もりをしていたのです。ある日、いつもより早めに自宅に帰ったT橋さんはたまった自分宛の郵便物を見ていたときに、何かふと気になって、珍しくクレジットカードの請求書を開いてみました。すると、合計請求金額が80万円ほどになっていました。我が目を疑ってよく見直してみると、買ってもいないパソコンに、カメラ、貴金属類を買ったことになっていました。
驚いてカード会社に電話をかけました。
「買ってもいないものが、請求されているんですが」
と告げると、調査の係の人に代わりました。
「日付が書いてありますが、この日に利用していないという何か決め手はありますか?」
「日付? あ、えーと」
急いで自分の手帳を取りだして、見てみました。カードを利用したとされる日は2日間でしたが、2日目の○日は会社で一日中会議でした。ところが、初めの△日は、営業で外回りをしていました。
「○日は、会社の方が証明できますね」
「はい」
「△日はいかがでしょうか」
「その日は、部下と取引先を何軒か回っていました」
「すると、この日の午前中はどうでしょう」
「午前中は、えーと、一緒に10時に社を出て、11時に先方に着いて、そのまま一緒に昼食を取りました」
「午前中に、○○カメラ店の××支店で購入されたことになっていますが」
「××ですか? 取引先が埼玉の方なんで、そこには行ってません。逆方向なんで、時間的に無理です」
「そうですか。カメラは購入されていないんですね」
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