ウィルスやスパイウェアに感染しない為には、ウィルス定義ファイルの更新が重要だということもお話しましたが、アンチウィルスソフトのメーカーも新種ウィルスの出現に追いつかないのが現状です。ですから定義ファイルの更新をしておけば100%安全という訳ではありません。また実際にウィルスに感染するとどんな実害があるのかは、意外に知られていないようです。そこで今回はウィルスによって引き起こされる代表的な症状を紹介します。症状を把握しておくことで、万一感染した時にも早く気づくことができ、被害が広がる前に対処できるようになります。
パソコンの動きがおかしい
ほとんどのウィルスが「パソコンの動きが不安定になる」という症状を持っています。パソコンの動きが、おかしい(不安定)になる原因は、通常必要なプログラム以外の「ウィルス」というプログラムが動いていることが原因です。ウィルスに「メモリ」や「CPU」や「リソース」等が余分に使われてしまうことによって、パフォーマンスが低下したり、エラーメッセージが繁雑に表示されるという症状が現れます。ウィルスは市販されているソフトウェアやプログラムと違い、きちんと動作チェックがされていませんから、他の正規のソフトウェアやプログラム、他のウィルスと影響しあって予想外のエラーを引き起こすことが多くなり、Windows2000やWindowsXPでは滅多に起こらなくなったパソコンのフリーズや強制シャットダウンなどが起こることもあります。さらにデスクトップに奇妙なメッセージが表示されたり、おかしな音を出すなどといったこともあります。こういった症状は最近のウィルスでは少なくなりましたが、注意が必要です。ただこれらの症状は、自分の使っているパソコンのことなので気づきやすい症状だと言えるでしょう。勝手にメールを送信する
大量のウィルス付メールを知らないうちに送信するのも典型的なウィルスの症状です。最近のウィルスは、ほとんどがメールを感染経路として利用しています。このようなウィルスの場合には、メールソフトのアドレス帳からメールアドレスを勝手に収集して、そのアドレスに対してウィルス付きのメールを送信する為、友人や知人、取引先に大変な迷惑をかけてしまいことになります。ウィルスは、こっそりと気づかれないようにメールを送信するので、本人は気づかないことが事が多く、ほとんどの場合、送信先の友人や知人からの連絡や苦情で気づくことになってしまいます。メール大量送信型ウィルスでは、「Mydoom(マイドゥーム)」や「Netsky(ネットスカイ)」が有名です。特にNetskyは、2004年に発生してから、現在まで亜種(ウィルスの改造版)が次々に発生しています。特に「メールの送信者名を詐称」するので、受信したユーザも知人からのメールと勘違いし添付ファイルを開き感染する事が多く、かなり被害が広がりました。さらに「バックドア」と呼ばれるハッキング機能や特定の対象に対してサイバー攻撃を与える「Dosアタック」など亜種が発生するたびに悪質なウィルスになっていきました。ですから知人からのメールでも、「送信者詐称」の可能性もあるので、添付ファイルは安易に開かないよう注意しましょう。
Netskyは、亜種が非常に多いウィルスです。最初に発生したNetsky.Aの2日後にはNetsky.Bが発生し、現在までにたくさんの亜種が発生しています。 |
次のページでは、ウィルスの破壊活動と個人情報漏洩について説明します。