ウィルス対策・セキュリティソフト/ウィルス対策・セキュリティソフトの基礎知識

ウィルスの実害(2ページ目)

ウィルスの怖さは知っていても、実際にウィルスに感染するとどんな実害があるのかは、意外と知られてないようです。ウィルスの症状を知る事で、万一感染した時にすぐ気付く事ができるようにしましょう。

執筆者:岡本 順孝


破壊活動をする

外付けハードディスクドライブ
外付けハードディスクドライブBUFFALO HD-HB250SU2。250GBで21,000円。暗号化ツールもついてセキュリティも安心
ウィルスの症状の中で最も直接的で被害が大きいのは、パソコン内のでデータやパソコン自体に対する破壊活動です。ウィルスは悪意のある人間が作ったプログラムですが、パソコンは善悪の判断ができない為、正規のプログラムと同じように実行してしまいます。ですから私たちが通常パソコンで行っている、ファイルの作成、編集、削除、実行は勿論、他のプログラムのダウンロード、ハードディスクのフォーマットやOSの再インストールまで行ってしまいます。このようなウィルスが破壊したデータは復旧することが困難です。対策としては、定期的にデータのバックアップをするしかありません。バックアップもDVDや外付けのハードディスクなど複数作成しておくと良いでしょう。もしバックアップをしていない場合は、パソコンのリカバリをするしか方法はありません。リカバリはパソコンを購入した時点の状態に戻すことになりますので、大切なデータは全て消えてしまいます。そんなことにならない為にも、定期的なバックアップをお勧めします。

個人情報を漏洩する

最も気づきにくく実害が大きいのは、個人情報の漏洩でしょう。個人情報を漏洩するウィルスは、」破壊活動のような目立つ活動は行いません。しかしこっそりとパソコン内に保存されているデータを収集したり、キーボードからの入力を監視したりして集めた情報をインターネット上に漏洩させてしまいます。この種類のウィルスに感染したら「本名」、「住所」、「年齢」、「電話番号」、「ID」や「パスワード」さらには「クレジットカード番号」にいたるまであらゆる個人情報が盗まれてしまう可能性があります。アンチウィルスソフトやファイアウォールソフト等をインストールしているパソコンでは、「〇〇というソフトがインターネットに接続しようとしています」という警告がでて「許可」するか「遮断」するかを聞いてきますので、安易に「許可」をしないで、どんなソフトがインターネットに接続しようとしているのか確認することが重要です。怪しいソフトがインターネットに接続しようとしたら、迷わず「遮断」しましょう。
「Winny(ウィニー)」や「Antinny(アンチニー)」といった言葉を聞いたこともある方も多いと思います。「Winny」は有名な「ファイル共有ソフト」ですが、そのWinny上で個人情報漏洩被害を引き起こすウィルスが「Antinny」です。Antinnyは、Winnyネットワーク上に、デスクトップのスナップショット画像、デスクトップ上のファイルやショートカットのリンク先、InternetExplorerの「お気に入り」や「cookie」、マイドキュメント内のファイル、OutlookExpressのアドレス帳、ExcelやWordで作成したファイル、写真などを流出させます。一度Winnyネットワーク上に流出したデータは、回収も削除もできませんので、Winnyネットワークが存在する限り個人情報が晒されることになってしまいます。考えただけでも恐ろしいですね。ただAntinnyはWinny上で活動するウィルスなので、Winnyを利用していなければ安全です。

ハッキングツールとして利用される

現在のウィルスは、多くが犯罪者のお金儲けの為に利用されることが多くなっています。最近アダルトサイトや出会い系サイトの広告メールが多くないですか?こういった広告メールは、自分が受信を希望した場合以外は、送信することが禁止されています。また不特定多数へのメールの送信は、「インターネットでの迷惑行為」として多くのインターネットプロバイダが禁止しており法律でも規制されています。それなのになぜこんなにたくさんの広告メールが送信されてくるのでしょうか?それは、表立った広告メールが送信できなくなった業者が、ハッキングツールとして動くウィルスを作り、感染したパソコンを介してメールを送信しているからです。ハッキングツール型のウィルスに感染したパソコンは「ゾンビPC」と呼ばれています。「ゾンビPC」を遠隔操作してメールを送信すれば、犯罪者は規制を受けずに大量の広告メールを送信できます。また捜査しようとしても、ゾンビPCを介している為見つかりにくくなってしまいます。最近ではゾンビPCにウィルスやスパイウェアを送信させてから、その対策ソフトを売り込むといった悪質な方法も出てきています。

いろいろなウィルスの実害を紹介しましたが、共通して言えるのは、ウィルスはWindows標準のフォルダやソフトを標的に作られています。そこで、「マイドキュメント」フォルダや「OutlookExpress」を利用しないということも、ウィルス対策になります。重要なデータの保存場所は、デスクトップやマイドキュメントフォルダ以外の場所に別フォルダを作成して保存することをお勧めします。
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で人気のウイルス対策ソフトを見るAmazon で人気のウイルス対策ソフトを見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます