◆ 最低限必要な無線LAN対策3: MACアドレスによるフィルタリング
最低限必要な対策の3つ目はMACアドレスによるフィルタリングです。…って、MACアドレスってなんでしょうか?
MACアドレスとは、それぞれのイーサネットカードに固有に割り振られる、12桁の16進数で表される識別番号です。世界中のイーサネットカードにはひとつひとつ異なるMACアドレスが割り振られており、適切な通信相手をネットワーク上から探すために用いられます。
あるネットワークカードに割り振られているMACアドレスは、そのカード固有のものです。世界中に同じものは二つとありません。
ということは、無線LANアクセスポイントに“接続してよい”MACアドレスを覚えさせておいて、登録していないMACアドレスを持つ機器のアクセスはすべて拒否すればいいではないか、となるわけです。
これが「MACアドレスフィルタリング」です。
MACアドレスフィルタリングは有効な対策ですが、落とし穴もあります。MACアドレスは「書き換え」ができてしまうのです。
先程述べましたとおり、WEP暗号化を行っていないと無線LAN通信はたやすく盗聴できてしまいます。つまりWEP暗号化を行っていないアクセスポイントであれば、その通信を盗聴し続けることで、そのアクセスポイントにアクセスを許可されているMACアドレスを突き止めることができるのです。誰か正規のユーザが無線LANを使ったときに盗聴をしていれば、接続可能なMACアドレスがわかります。
接続可能なMACアドレスがわかれば、あとは自分の機器のMACアドレスを接続可能なものに書き換えてしまえば、大手を振ってアクセスできてしまうというわけです。
3つの対策がすべて必要である理由が、おわかりいただけたでしょうか?
次回は、プラネックスの無線LANアクセスポイント「BLW-04GZ」を例にとり、実際に3つの対策を行うほか、その他セキュリティ向上に有効な設定を行っていきます。
設定のインタフェースなどは機器ごとにちがいますが、要素としては同じようなものですので、BLW-04GZユーザ以外の方にもご参考になると思います。
《関連ガイドサイト》
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