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グリーン車とは? 料金や乗り方、設備など普通車との違いやメリット【2026年最新版】

グリーン車は、JRで普通車よりワンランク上の車両だ。その由来から普通車との違い、メリット、チケットの買い方や乗り方などをまとめてみた。また、グリーン車よりさらにグレードの高いグランクラスや寝台車のグリーン車に相当するA寝台についても説明する。

野田 隆

野田 隆

鉄道 ガイド

名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL・D51を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、「ヨーロッパ鉄道と音楽の旅」を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。

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グリーン車とは

東海道新幹線のグリーン車
東海道新幹線N700Sのグリーン車

グリーン車とは、JRで普通車よりワンランク上の車両である。座席がゆったりしていたり設備がより充実しているなどのメリットがあり、特別料金の「グリーン券」を運賃、特急・急行券に上乗せして購入することで乗ることができる。

今回はその名前の由来、普通車との違い、メリット、乗り方などをまとめてみた。また、グリーン車よりさらにグレードの高いグランクラスや寝台車のグリーン車に相当するA寝台やさらに豪華な列車についても簡単に説明する。

目次

1等車からグリーン車への歴史

展望車マイテ
1等車のシンボル的存在だったマイテ39形展望車車内(鉄道博物館)

かつての国鉄時代をさかのぼれば、旅客車両のグレードは3等級で、鉄道草創期には上等、中等、下等だったものが1等、2等、3等になっていった。それぞれ車両の形式記号が、1等=イ、2等=ロ、3等=ハ、と定められていた。やがて、1等車はほとんど消滅したので、2等、3等の2等級となり、さらに呼称がそれぞれ格上げされて、2等→1等=ロ、3等→2等=ハになった(形式記号は格上げされず)。

高度成長時代の「1億総中流」の世相を反映してか、1969年にモノクラス制に移行し、それまで等級によって異なっていた運賃が一本化された。1等はグリーン車、2等は普通車と名前を変えた上、グリーン車は特別料金のグリーン券を運賃、特急・急行券に上乗せして徴収する形となった。「ロ」「ハ」の記号は、グリーン車=ロ、普通車=ハ、に継承された。電車の「モハ」やディーゼルカー「キハ」は、それぞれの普通車のことである。

グリーン車の名称の由来

初期のグリーン車
かつてのグリーン車にはライトグリーンの帯が入っていた

「グリーン車」という名称は、1等車「ロ」の車体の窓下の帯の色がライトグリーンだったこと、硬券の色も緑系だったことに由来するとの説が有力である。グリーン車の登場にともない、四葉のクローバーマークを模したグリーン車マークが設定された。のちに、窓下のライトグリーン帯は廃止され、グリーン車マークのみが残っている。

普通車とグリーン車の違い(新幹線/在来線特急/普通列車)

■新幹線

新幹線グリーン車
東海道新幹線N700系のグリーン車

新幹線の普通車が通路をはさんで2人掛けと3人掛けシートなのに対して、グリーン車には3人掛けのシートはなく、全て2人掛けになっている(車椅子スペースが確保されているときは1人掛け)。

■在来線特急

サフィール踊り子
「サフィール踊り子」のグリーン車(8号車)

在来線特急のグリーン車には、通路をはさんで2人掛け、1人掛けのゆったりした車内のものと、普通車同様、全て2人掛けのもの(車椅子スペースが確保されているときは1人掛け)がある。全て2人掛けのものは、前後の座席との間隔(シートピッチ)を普通車より広くしたり、フットレスト(足乗せ)を設置したりして差別化を図っている。

特別な車両としてJR九州787系のDXグリーン車、グリーン個室がある。

787系特急
JR九州の特急電車787系はグリーン個室などの特別車両を組み込んでいる

【料金例】
博多~武雄温泉 787系「リレーかもめ」の場合

特急券のほか グリーン料金=1300円、DXグリーン料金=2080円、グリーン個室料金=2600円

36ぷらす3のグリーン個室
「36ぷらす3」のグリーン個室(2号車)

※なお、787系を改装したD&S列車(観光列車)「36ぷらす3」は、全てグリーン車、グリーン個室からなる6両編成である。料金などの詳細はこちら

■普通列車

中央線快速電車のグリーン車
JR東日本の2階建てグリーン車(中央線快速電車)

普通列車にはグリーン車のないものが多く、定期列車でグリーン車が連結されているのは首都圏の普通・快速列車(2階建てグリーン車)や、瀬戸大橋線を走る「マリンライナー」くらいだ。

また、岡山を中心に走る「ラ・マル・ド・ボァ」など、観光列車の中に快速列車で全車グリーン車のものがある。

ラ・マル・ド・ボァ
岡山駅を中心に瀬戸内エリアを走る観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」。全席グリーン車の快速列車だ

グリーン車のメリット

2階建てグリーン車
首都圏を走る2階建てグリーン車2階席

グリーン車のメリットは、何といっても座席がゆったりしていることだ。普通車に比べて混雑しにくく、お盆や年末年始などを除けば比較的空いていることが多い。乗客が少なければ車内は静かだし、隣が空席なら、より広々とした感じがして快適に過ごせる。

しかし混雑時であれば、ほぼ満席となるし、普通車が満席でやむを得ずグリーン車に乗ってくる家族連れもいて、静謐(せいひつ)性は確保されないので割に合わないこともあろう。

あずさのグリーン車
JR東日本E353系「あずさ」「かいじ」のグリーン車

常磐線特急「ひたち」「ときわ」のE657系、中央線特急「あずさ」のE353系は、普通車のグレードが高い一方で、グリーン車は全て2人掛けなので、思ったほど快適さに差がない。またグリーン車の定員が少ないので、比較的乗車率もよく、ほかのグリーン車と比べるとメリットが感じられない人がいるかもしれない。

テーブル席で食事
移動中に軽食をいただけるのもグリーン車のメリット

普通列車の場合は、ラッシュ時であっても座れる確率が高い(自由席の場合、着席は保証されないことに注意。通勤時間帯の東海道本線、中央線快速など混雑の激しいグリーン車もある)ほか、テーブルが設置されているので、パソコンテーブルとして利用できたり、食事ができたりするというメリットがある。新幹線が並行している区間であれば、所要時間はかかるけれど、新幹線自由席よりも料金が安いので、リーズナブルかつ快適に移動できるという利点もある。

グリーン車の料金はどれくらい違うのか?

グリーン車の料金は普通車と比べてどれくらい高いのか。繁忙期や閑散期ではなく通常期で比較してみた。ただし、運賃以外の部分での比較である。

■新幹線
・東京~新大阪 
普通車自由席=4960円、普通車指定席=5810円、グリーン席=1万680円

・東京~仙台「やまびこ」利用の場合
普通車自由席=4510円、普通車指定席=5040円、グリーン席=8700円

・東京~仙台「はやぶさ」利用の場合
普通車自由席=なし(全車指定席)、普通車指定席=5360円、グリーン席=9020円

■在来線特急
・新宿~松本「あずさ」
普通車自由席=なし(座席未指定券は指定席と同額)、普通車指定席=2550円、グリーン席=6210円

・大阪~白浜「くろしお」
普通車自由席=なし(全車指定席)、普通車指定席=2730円、グリーン席=5000円

・岡山~松山「しおかぜ」
普通車自由席=2420円、普通車指定席=2950円、グリーン席=6610円

■普通列車
・岡山~高松「マリンライナー」
普通車自由席=0円(運賃のみ)、普通車指定席=840円、グリーン席=1260円

・東京~熱海 普通列車
普通車自由席=0円(運賃のみ)、普通車指定席=なし、グリーン席=1550円(Suicaグリーン料金)

・東京~熱海 東海道新幹線「こだま」
普通車自由席=1760円、普通車指定席=2290円、グリーン席=4560円

グリーン車のチケットの買い方

Suica専用グリーン券うりば
首都圏の2階建てグリーン車は、紙の切符ではなく、Suicaにグリーン券情報を記録するか、モバイルSuicaで直接購入して乗車するのが一般的な方法だ

駅の窓口、自動券売機、東海道新幹線のエクスプレス予約などWebで購入してチケットレスで乗ることのできる列車もある。

首都圏の普通列車グリーン車は窓口や券売機のほか、ホームにある専用のグリーン券券売機を使って手持ちのICカードにグリーン券情報(乗車区間)を記録(購入)し利用する方法、モバイルSuicaで直接購入する方法もある。

グリーン車の乗り方

Suica購入情報読み取り
首都圏の普通列車グリーン車は着席前にあらかじめグリーン券を購入したSuicaを天井にタッチする。ランプが緑になれば、着席OKとなる

当然のことだが、グリーン車に乗る際は、グリーン券の指定された座席に座る。首都圏の普通列車グリーン車は自由席なので、座席上の天井にあるグリーン券情報読み取り機にICカードあるいはモバイルSuicaをかざしてランプを緑に点灯させて席を確保する。紙のグリーン券を購入した場合は、グリーンアテンダントに券を提示してランプを緑に変えてもらう。

グリーン車にお得に乗る方法

グリーン車にお得に乗る方法はいくつかある。

1. 東海道新幹線エクスプレス予約
EXこだまグリーン早特、EXグリーン早特などを使って割引料金で乗る。

【料金例】
EX早特3(こだま用)(乗車券+特急券、グリーン券込みの値段)
・東京~名古屋 1万1290円

※EXの通常予約で乗る「のぞみ」指定席 1万880円(乗車券+特急指定券)…「こだま」グリーン車の方が、「のぞみ」普通車指定席よりもやや高い程度

2. えきねっとでJRE POINTアップグレードを利用
JR東日本のポイントサービスである「JRE POINT」は、600ポイントでSuicaグリーン券(首都圏を走る普通列車グリーン券)に交換できる。JRE POINTのステージ3なら500ポイント、プレミアム・ステージなら400ポイントでSuicaグリーン券に交換できる。いずれも距離に関係ないので、東京⇔熱海、東京⇔宇都宮など100kmを超える区間なら極めてお得だ。

また、JR東日本グループが提供するデジタル金融サービス「JRE BANK」に預金すると、無料グリーン券がもらえるサービスもある。詳細はJR東日本の公式Webサイト「えきねっと」にてご確認いただきたい。

モバイルSuicaでグリーン車に乗る
2階建てグリーン車に乗るなら、JREポイントを貯めてモバイルSuicaで乗るのがお得だ

グリーン車に相当する車両

シングルデラックス
寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」のシングルデラックスはグリーン車に相当する

寝台車のA寝台(シングルデラックス)は、座席車のグリーン車に相当する。

寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」運賃以外の特急券・寝台券合計
・東京~出雲市
ソロ(普通席より1ランク上に相当)=9900円、シングルデラックス(グリーン車に相当)=1万7280円

グリーン車よりグレードの高い車両

ここからは、グリーン車よりもグレードの高い車両を紹介しよう。

■グランクラス

グランクラスの座席
グランクラスのシート(北陸新幹線)

東北・北海道・北陸・上越新幹線には、グリーン車よりさらにグレードの高いグランクラスがある。通路をはさんで2人掛けと1人掛けがあり、極めてゆったりしたシートである。飲食のサービス(指定料金に含まれる)など上質のおもてなしを受けることができるグランクラス(A)適用列車と、アテンダントの接客サービスのないグランクラス(B)適用列車がある。

【料金例】
・東京~金沢(北陸新幹線)「かがやき」

普通車指定席=6900円、グリーン席=1万3360円、グランクラス(A)=2万4360円

北陸新幹線「あさま」「はくたか」(東京~長野)
・グランクラス(B)適用列車
普通車指定席=4270円、グリーン席=7930円、グランクラス(B)=1万1080円

・同じ区間を「かがやき」のグランクラス(A)適用列車を利用すると、グランクラス(A)=1万4930円

■「サフィール踊り子」のグリーン車

サフィール踊り子
東海道本線を快走する「サフィール踊り子」

全車グリーン車指定席で運転される「サフィール踊り子」号には、以下のようなタイプのグリーン車がある。いずれも、運賃+料金の合計である。

・東京~伊豆急下田
グリーン車=1万540円
グリーン個室(1~6名用)3名利用=4万2720円(1人あたり、1万4240円)、6名利用=6万3240円(1人あたり、1万540円)
グリーン個室(1~4名用)2名利用=2万8480円(1人あたり、1万4240円)、4名利用=4万2160円(1人あたり、1万540円)
プレミアムグリーン車=1万2940円

豪華列車「ななつ星in九州」「TWILIGHT EXPRESS瑞風」

瑞風
JR西日本の豪華列車「トワイライトエクスプレス瑞風」。車両形式の記号、イはグリーン車よりもグレードの高い旧1等車を表す。ネは寝台車のこと

この車両にはマイ、マイネ、マイネフ(ななつ星)、キイテ、キサイネ(瑞風)というように3等級時代の「イ」が復活、グリーン車「ロ」よりも上級であることを示している。

グリーン車や、さらに上級の車両には、それなりのメリットがある。値段も高いけれど、時には贅沢(ぜいたく)してみると旅が楽しくなるであろう。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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