
画面上の資産が一気に減る暴落は、誰にとっても恐ろしいものです。しかし、事前に「ある事実」を知っておくだけで、パニックによる損失を回避し、冷静な判断を下すことができます。
チャンネル登録者数66万人を超える大人気節約・投資系YouTuberの節約オタクふゆこさんは、著書『お金はこれで増やせます 失敗したくない人のための投資の教科書』の中で、暴落を乗り切るメンタル管理術を明かしています。 今回は本書から一部抜粋し、著者が直面したコロナショック時のリアルな葛藤と、暴落を客観視するための「歴史データ」を解説します。
暴落はチャンスになる理由
株式投資をはじめたばかりの人にとって、暴落は非常に困惑する出来事です。特に初めて経験する暴落は、メンタルを大きく揺さぶります。
「暴落があったら資産が減ってしまうではないか!」という不安は当然ですし、暴落によって多額の損失を出して苦しむ人がいることを思えば、軽々しく語れるものではありません。
しかし、腰を据えて長期の株式投資をしている人であれば、暴落を必要以上に恐れていないのではないでしょうか。
これまでの歴史を見ると、常に暴落後に株価は回復を続けてきました。もちろん、過去がそうだったからといって未来も必ずそうなるとは限りませんが、長期的に経済が成長し続けると考えるなら、暴落は一時的な調整局面だと捉えることができます。
インデックス投資では、積み立てを続けることで暴落時に平均購入価格を下げられます。同じ金額でより多くの口数を買えるため、長期的に見れば有利に働きます。
高配当株投資では、株価が下がっても優良企業は配当を出し続けます。むしろ暴落時には配当利回りが上がり、同じ金額でより多くの配当を生む株を買えるようになります。
暴落中も配当というキャッシュフローは途絶えないのです。そこで重要なことは、「暴落時も狼狽えず、淡々と投資を続けること」です。
「暴落はチャンスだ!」と声高に叫ぶ人もいますが、あせらなくていいのです。とにかく冷静に、これまでの投資を継続しましょう。
コロナショックでの実体験
暴落後に回復する見込みのない企業に投資しては意味がありませんが、インデックス投資なら長期的に成長が見込める市場を、高配当株投資なら安定した配当を出し続けられる企業を選んでいれば、暴落を過度に恐れる必要はありません。
しかし、そうはいっても初めての暴落体験は心を揺さぶられるものです。
わたしの初めての暴落体験は、2020年のコロナショックでした。当時、「日経平均株価」は約2カ月間で30%下落、「S&P500」も1カ月で30%以上下落、「オルカン」も20%近い下落を記録しました。
インデックス投資を始めたばかりの初心者だったわたしには、これは相当に大きな衝撃でした。当時、毎月の生活費を10万円以内に抑えるハードな節約を重ね、2年間で約600万円を貯蓄していました。
そのうち約300万円をインデックス投資に回していたため、資産規模に対して投資額は大きく、リスクもかなり高い状況だったのです。
家計簿アプリに証券口座を連携し、日々増減する資産に一喜一憂していた頃でしたから、資産が増えると自分の努力が報われた気がして自己肯定感が高まるようでした。
しかし、そんなお花畑気分のわたしに突然コロナショック襲いかかり、容赦なくわたしの資産を減らしていったのです。
株式投資には「狼狽売り」という言葉があります。これは、株価が暴落した際に精神的に不安定になり、恐怖や不安から逃れるために株式を売却してしまう行為を指します。
頭のなかでは、「売却しない限り損失は確定しない」「そのうち株価は回復する」と理解していても、メンタルが耐えられず不合理な判断をしてしまうのです。
幸いにも、投資に関して理論武装を開始していたわたしはそこで思いとどまることができ、狼狽売りをせずに済みました。
暴落の頻度と強気相場
それでも、最終的には世間の不安に同調せず狼狽せずにいられたのは、株式投資初心者なりに必死になって勉強して、知識を身につけていたからです。
わたしのなかで信頼できる投資系YouTubeチャンネルを観て、「暴落への気構え」を学び、株式投資の名著を読むたびに、「暴落は耐えろ」「チャンスだ」と書かれているのを知っていたため、理性が働いたのだと思います。
1980年代から2010年代の世界の株式市場における「20%以上の下落」をまとめたデータによれば、マイナス20%以上の暴落は10年に2回は発生します。
つまり、30年間投資をしていれば単純計算で6回は直面することになるわけで、暴落や弱気相場はかなりの頻度で起こるということです。
期間についても、低迷した状態は長くて2年半程度、短ければ2カ月、平均すれば11カ月程度となります。
心理学的に、不安や恐怖という感情は「わからないこと」に対して強く働きます。でも、「暴落は5年に1回は起こるありふれたこと」「1年弱も我慢すれば元に戻りはじめる」と理解しておけば、恐怖心はかなり和らぎます。
さらに、暴落による弱気相場のあとは、決まって強気相場(上昇相場)が訪れます。弱気相場の最大下落率を上回る上昇率を叩き出し、上がったり下がったり波打つようにしながら、世界の株式相場は右肩上がりに成長し続けてきたのです。
こうしたデータがあることを事前に把握していたので、コロナショックの際は目減りする資産にショックを受けながらも、「これが話に聞く暴落か」と、どこか社会科見学気分で客観視している自分もいました。
株価が回復して含み益が得られる経験を積むうちに、「暴落はチャンスでしかないのでは?」という気持ちになっていったのです。
著者:節約オタクふゆこ(節約&投資系YouTuber)
1993年2月14日生まれ、自らを「節約オタク」と称する節約・投資系YouTuber。理系の大学院修了後に開発職として電子系メーカーに就職したものの、将来のお金に対する不安を拭えなかったことがきっかけでお金について学ぶ。その後、奨学金477万円を返済しながら1カ月10万円で生活し、年間300万円を貯金、20代で資産1000万円を達成。現在は脱サラしてフリーランス。2021年から運営しているYouTubeチャンネル「節約オタクふゆこ」は日常的な節約法のほか、投資についての動画も初心者・中級者向けに配信して人気を集め、チャンネル登録者数は66万人を超える(2026年6月時点)。著書に『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)がある。各種メディアへの出演や、セミナーへの登壇など講演活動も積極的に行っている。






