トップファッション誌『ランウェイ』を舞台に、“悪魔のような”カリスマ編集長・ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタントに採用されたアンディ(アン・ハサウェイ)が、仕事や恋に奮闘する姿を描いた『プラダを着た悪魔』(2006年)。

「ミランダのアシスタントを1年務めれば、どんな仕事にもつけるようになる」という同僚・エミリー(エミリー・ブラント)の言葉を信じ、ファッションに疎いながらもアシスタントとして成長していく姿は、“働く女性のバイブル”として時代を席巻しました。
キャリアを積んだ女性たちの夢と野望の物語
その20年後を描いた続編『プラダを着た悪魔2』が、2026年5月1日(金)に日米同時公開。

本作では、報道記者として活躍していたアンディが、特集エディターとして『ランウェイ』に復帰。元同僚のエミリーとも再会しますが、いまやラグジュアリーブランドの幹部となった彼女は『ランウェイ』存続の鍵を握る存在に。それぞれの夢と野望がぶつかり合い、物語は思わぬ結末へと向かっていきます。
質感・ニュアンスで魅せる「クワイエット・ラグジュアリー」
前作のアンディの衣装は、膝丈のスカートとハイヒール。シャネルのロングブーツや多層のネックレスなど、一目でどこのブランドか分かる記号的な豪華さが中心で、2000年代中盤の「It Girl(イット・ガール)」文化やロゴブームを象徴するマキシマリズムな装いでした。
本作ではパンツスタイルが多く、ブランドロゴを極限まで隠した「クワイエット・ラグジュアリー(静かなぜいたく)」が主流。素材の質、仕立てのよさ、そしてタイムレスなデザインに価値を置くスタイルが取り入れられています。

クワイエット・ラグジュアリーのカラーコーディネートの特徴は、トーン・オン・トーン。同系色のコーディネートにすることで、洗練された奥行きが生まれます。ベージュ、キャメル、ネイビー、チャコールグレー、オフホワイト、ブラックなど、流行に左右されず、品格を感じさせる落ち着いた色が主流です。
女王の強さを表現する鮮やかなレッド
前作のミランダの衣装は、権威と冷徹さを表すコントラストの強いダークトーンが支配的。構造的なコートやファー、豹柄などのリッチなテクスチャーが目立ち、エレガントで近寄りがたい雰囲気を演出しました。

本作では、前作のダークトーンを継承しつつよりドラマチックで華やかなレッドで「永遠の女王」としての強さを表現。白髪は健在で、ファッションの色を際立たせています。

その一方で、業界の激変に直面し、よりストイックなモノトーンやニュートラルカラーも多く見られます。削ぎ落とされた色づかいが、ミランダのプロフェッショナリズムを際立たせています。
前作が「ファッション業界への入門書」だったとすれば、本作は「成熟した大人のための、知的な装い」へと昇華されているのが最大の違いといえるでしょう。また、前作では、膨大な衣装が業界の回転の速さを象徴し、「使い捨てられるトレンド」の美学が映し出されました。本作は「タイムレス」がキーワード。ヴィンテージの再解釈や、長く着られる高品質な素材、職人技(クラフトマンシップ)を感じさせるアイテムが登場します。単なる消費ではなく、「文化としてのファッション」にも焦点が当てられています。
衣装は映画の「もう一つの主役」。その色がどのような品格を語る
参考:
映画『プラダを着た悪魔2』(原題:The Devil Wears Prada 2)公式Webサイト
■監督:デヴィッド・フランケル
■脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
■キャスト:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、トレイシー・トムズ、ティボー・フェルドマン、ケネス・ブラナー、シモーヌ・アシュリー、ジャスティン・セロー、ルーシー・リュー、パトリック・ブラモール、ケイレブ・ヒーロン、ヘレン・J・シェン、ポーリーン・シャラメ、B・J・ノヴァク、コンラッド・リカモラ
■配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン







